2004 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチの発症早期に対する治療法としての温熱療法の開発に関する検討
Project/Area Number |
16500349
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
内藤 裕二 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (00305575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 敏一 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (90158410)
吉田 憲正 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (30166962)
古倉 聡 京都府立医科大学, 医学部, 助教授(寄附講座) (80347442)
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Keywords | 温熱療法 / 関節リウマチ / サイトカイン / 抗炎症 / コラーゲン誘発関節炎 / 血管内皮細胞 / 滑膜細胞 |
Research Abstract |
関節リウマチに対して行われている代表的な物理療法のひとつに温熱療法がある。この温熱療法は、関節の疼痛やこわばり感の緩和を目的としている。一方、われわれは、最近、温熱療法が抗炎症作用を有することを明らかとした。本研究では、関節リウマチの発症早期に対する強力な治療法としての温熱療法の開発を目的とした研究を実施した。 1.温熱療法の抗炎症作用についてのin vitroでの検討 ヒト血管内皮細胞やヒト末梢血単核球などの各種炎症細胞モデルを用いて、温熱処理の抗炎症作用を検討し、細胞接着分子の発現や炎症性サイトカインの産生の抑制を解する抗炎症作用を確認した。その抑制メカニズムについて、とくに、炎症の場で重要な転写因子Nuclear Factor-κBと温熱処理後誘導される熱ショック蛋白との相互作用を明らかにした。 2.関節リウマチ患者の滑膜組織の構成細胞に対する温熱療法の抗炎症作用についての検討 滑膜組織の構成細胞を浮遊細胞として採取して、各構成細胞(T-リンパ球、マクロファージ、繊維芽細胞、好中球など)に分離した上で、温熱処理が、各細胞群の炎症性サイトカインやMatrix Metalloproteasesの産生に及ぼす影響とそのメカニズムを検討中である。 3.関節リウマチモデルマウスでの温熱療法の有効性の検討 関節リウマチモデルマウスとして、コラーゲン誘発実験的関節炎モデルを用いてその実験系を確立した。さらに、温熱療法の治療効果を検討し、その有効性を確認した。現在その詳細を検討し、温熱により誘導される熱ショック蛋白がこれら抗炎症作用の中心であることを明らかにしつつある。
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Research Products
(1 results)