2004 Fiscal Year Annual Research Report
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16500350
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Research Institution | Osaka Prefectual College of Nursing |
Principal Investigator |
山野 眞利子 大阪府立大学(大阪府立看護大学), 総合リハビリテーション学部, 助教授 (80192409)
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Keywords | 脳卒中 / 脳卒中自然発症ラット / 神経再生と阻害 / 中枢神経系 |
Research Abstract |
リハビリテーション医療にとって脳卒中は大きな課題である。我々はこれまで実験的に錐体路障害をおこし、その修復過程に積極的に関与する機構を研究したところ、障害側の脳の広い範囲でGFAP陽性反応性アストロサイトが多数出現し、その領域に一致して神経細胞の活動が抑制されていることを明らかにした。 そこで脳卒中自然発症ラット(SHRSP/Izm)を用い、In vitroで軸索伸展抑制作用が知られている分泌型Semaphorin3Aと細胞膜型Semaphorin4DとNogo-Aについて発症後脳内で出現するか否かを免疫組織化学的に検討した。 動物は脳卒中自然発症ラット(SHRSP/Izm)19周齢を飼育し、脳卒中の発症確認して10日後、3週間後の動物を使用し、各抗体を用いて免疫組織化学的に検討した。 結果1.梗塞側大脳皮質と脳梁内、周囲、内包内、内包周囲にSema4D陽性細胞が出現した。 2.Sema4D陽性細胞の殆どがoligodendrocyteであると示唆された。 3.梗塞側白質にNogo-A陽性構造が出現した。 4.Nogo-A陽性細胞の殆どがSema4D陽性細胞であった。このことより梗塞側で一部のoligodendrocyteはSema4Dのみでなく、同時にNogo-Aも発現していることが示唆された。 中枢神経損傷時にはNGF,BDNT,FGF,TGF等のさまざまな内因性の神経栄養因子が損傷部ならびにその周辺に増加し,損傷修復機転や,神経再生等に働く。一方、In vitroで神経細胞や軸索の再生または伸展を抑制する物質として、semaphorinやNogo-Aが報告されているが、脳卒中自然発症ラットを用いた本研究で、発症後の脳内にsemaphorin3Aやsemaphorin4D、ならびにNogo-Aも梗塞後の脳内に出現していることを明らかにした。またこれらの分布は卒中後10日では脳梁に認められ、3週間後は内包周囲に認められることより、前脳でも同様に再生軸索の伸展を阻害している可能性を示唆する。次年度はこれらのアンタゴニスト等を用いて軸索伸展促進実験をおこなう予定である。
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Research Products
(1 results)