2005 Fiscal Year Annual Research Report
知覚フィードバックに基づく人間の安定化動作のモデリングに関する研究
Project/Area Number |
16500364
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
大山 恭弘 東京工科大学, バイオニクス学部, 教授 (00233289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 洋志 東京工科大学, バイオニクス学部, 助教授 (60208460)
篠原 一彦 東京工科大学, バイオニクス学部, 教授 (00327082)
余 錦華 東京工科大学, バイオニクス学部, 助教授 (10257264)
苗村 潔 東京工科大学, バイオニクス学部, 講師 (90302752)
小林 裕之 東京工科大学, バイオニクス学部, 助手 (80338219)
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Keywords | 人間・機械システム / 手動制御系 / 高齢者支援 / リハビリテーション / トレーニング / 人間行動の伝達特性 / 人間の潜在能力発現 |
Research Abstract |
本研究は,人間が視覚・力覚情報をもとに人体各部の制御を行うメカニズムを解明し,モデリングを行うことを目的としている。今年度は手動制御の倒立振子装置を倒立状態で安定化させる作業を主たる研究対象とした。今年度の主な成果は次の2点である。 1.人間が行う知覚フィードバックに基づく安定化制御行動における,伝達特性に基づいた性能評価手法の提案と実験による検証 2.1.の評価に基づいた人間-機械系の伝達特性整形による,システム全体としての性能向上を行う補償器の提案と基礎的な実験による有効性の確認 上記項目の1.については,人間の個体間の伝達特性の違いや訓練による伝達特性の変化と,スキルレベル(人間の直感的な感覚に近い評価指標)との間の相関を明らかにした。これにより,従来では制御理論の立場からは説明が難しかった人間行動の「上手」や「下手」という直感的評価を結びつけることが可能になった。 この結果を応用して2.項では,スキルレベルの低いオペレータの伝達特性をスキルレベルの高い者のものに近づけるような補償器設計の基礎概念を提案した。この考え方の有効性の検証をするための初歩的な実験システムを構築し,複数の被験者で実験を行った結果,期待通りの結果が得られた。今後はこの考え方を発展させ,ここの人間が持つコントローラとしての潜在的な性能を引き出す補償器の実現に向けた研究を行う予定である。 本年度得られたこれらの知見は、高齢者をはじめ,多くの人間の高度活動支援技術の理論的基礎を構築することに大きく寄与するものである。
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Research Products
(5 results)