2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500366
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
玄番 央恵 関西医科大学, 医学部, 教授 (00108987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 和子 関西医科大学, 医学部, 助手 (60351540)
松崎 竜一 関西医科大学, 医学部, 助手 (70239002)
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Keywords | サル / 視覚始動性上肢運動 / 聴覚始動性上肢運動 / 下肢運動 / 頭頂連合野 / さる運動装置 / 体性感覚誘発電位 / 学習能力 |
Research Abstract |
前年度から三菱電機エンジニアリング株式会社と共同で「さる運動装置」(BK-ERG-901)の開発を強力に行ってきたが、本年6月にほぼ完成した。本装置はサルの下肢運動の運動速度、運動量(回転数)および運動消費カロリーを測定し得るが、それらの運動評価システムをサルの運動訓練の強化に用いることができるよう工夫されている。一方、サルを麻酔下で手術し、種々の大脳皮質の表面と2-3mm深部に電極を埋め込んだ。手術から回復後、前腕皮膚に触覚刺激を与え、埋め込み電極により体性感覚誘発電位を記録した。さらにサルが触覚刺激に応じてレバー上げ運動を行う(体性感覚始動性上肢運動)ようになるまでの学習過程中、大脳皮質フイールド電位を記録し、分析した。そのサルには「さる運動装置」による下肢運動の訓練を本装置の開発初期からほぼ毎日長期間行わせたが、装置完成後からは一日の消費カロリーが徐々に増加し、遂に高齢者の一日分の消費カロリーにほぼ相当する運動を行えるようになった。これは高齢者の活動量モデルとしてサルを使用できるということを示唆しており、今後、多方面での有効活用が期待される。下肢運動の長期連続訓練による高次認知機能への影響を体性感覚誘発電位、および新上肢運動の学習能力に着目して検討した。新運動としてサルに視覚刺激、或いは聴覚刺激に応じてレバー上げ運動(視覚始動性上肢運動、或いは聴覚始動性上肢運動)を行わせた。体性感覚誘発電位についてだが、当該訓練前にはみられなかった表面-陰性、深部-陽性の短潜時電位が頭頂連合野に出現することがわかった。さらに視覚始動性上肢運動および聴覚始動性上肢運動の何れの学習においても他のサル(当該訓練を行っていないサル)より短い期間しか要しないことが判明した。これは下肢運動の訓練が学習能力の向上など高次認知機能の向上に有用なことを示唆する。
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Research Products
(30 results)