2004 Fiscal Year Annual Research Report
重度運動障害者の意思伝達システムの入力信号としての交感神経反応
Project/Area Number |
16500373
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
塚原 玲子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 機能発達学部, 主任研究員 (80227371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 久 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 機能発達学部, 室長 (60150215)
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Keywords | 皮膚電位反応 / 瞳孔径 / 意思表示システム / 動作イメージ / 随意動作 |
Research Abstract |
健常者を対象として、覚醒刺激に対する皮膚電位反応のhabituationの過程を分析した。20〜40秒間隔の覚醒刺激(100msのトーンバースト)に対して随意反応動作を行わない場合は、刺激を加える呼吸相にかかわらず速やかなhabituationが見られた。これに対し、随意反応動作を行った場合は、皮膚電位反応の振幅低下は緩やかであった。皮膚電位反応にvolitional motor commandが寄与している可能性が考えられ、筋放電開始時間(EMG-RT)と皮膚電位反応の開始およびnegative peak、positive peakの潜時との関係を検討した。皮膚電位反応の開始はEMG-RTにかかわらずほぼ一定であったが、negative peak潜時はEMG-RTとともに変動する傾向であった。また、positive peak潜時とEMG-RTについても同様の正の相関が示唆された。筋放電の開始はnegative〜positive peakに関与するが、皮膚電位反応の開始には関与しないことが示唆された。また、動作イメージを行った場合、音で誘発される交感神経皮膚反応と同様のhabituationが起きた後、negative peakのみの皮膚電位反応が出現する傾向が見られた。皮膚電位反応の初期に活動する汗腺は、閾値が低く動作の準備や企図の段階で発汗すると考えられるが、汗腺のビデオ画像については分析中である。意思表示システムのスイッチという観点からは、negative peakが注目される。瞳孔散大反応は、動作の実行・動作イメージにより皮膚電位反応に一致して生起する傾向であった。瞳孔径と皮膚電位活動との不一致はhabituationの過程や自発性変動にみられ、副交感神経系の寄与が考えられた。
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