2004 Fiscal Year Annual Research Report
体育におけるカリキュラム・ポリティクスへのアプローチ
Project/Area Number |
16500378
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
井谷 惠子 京都教育大学, 教育学部, 教授 (80291433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 淳子 中京女子大学, 健康科学部, 助教授 (70207207)
來田 享子 愛知学泉大学, コミュニティ政策学部, 助教授 (40350946)
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Keywords | 体育カリキュラム / ポリティクス / ジェンダー / 教育政策 / 学習指導要領 / スポーツ / 身体 |
Research Abstract |
平成16年度に得られた成果は以下のとおりである。 1.戦後の学習指導要領(体育・保健体育)の作成過程に関する資料について調査した結果、平成元年に改定された学習指導要領について、教育課程審議会、協力者会議の議事録と関係資料を入手することができた。これらは、学習指導要領に示された内容が決定され、まとまっていくプロセスを詳細に示す資料であり、この時期の教育政策、社会的関心と要請、体育観、身体観を映し出すものである。現在、これらの資料を整理し、分析方法について検討を進めている。 2.海外の体育カリキュラム理論とカリキュラムに作用するポリティクスを検討するに当たって、最初にイギリスで出版された"Politics, Policy and Practice in Physical Education"(Penny, D and Evans, J)を対象とした。数度の研究会を通して総括的に読みすすめた結果、イギリス(イングランド・ウェールズ)の体育のナショナルカリキュラムと政治との関連について、研究の蓄積があることが明らかになった。著者であるJohn Evansを訪問し、研究方法や新たな研究成果について示唆を得た。スポーツ発祥の地であるイギリスでは、"Sport : Raising Games"をキャッチフレーズに、小学校低学年からのスポーツ教材導入が試みられている。しかし、Evansらは、これらの教育政策がナショナリズムや伝統主義に連動するばかりでなく、多くの女性を含めたスポーツ弱者の視点に立つものではないと指摘している。 3.2年次に予定している審議会記録文書などの情報公開請求に向けて、文書の存在や文書名の確定作業を進めた。
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