2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500385
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Research Institution | Tokyo Women's College of Physical Education |
Principal Investigator |
金子 一秀 東京女子体育大学, 体育学部, 教授 (40185921)
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Keywords | キネステーゼ / 動感共振情報 / シンボル化 |
Research Abstract |
キネステーゼ能力という、動感意識が我々の動きの構成化の基柢をなしていることは昨年度の研究で明らかとなっている(原著論文「促発能力としての多襞的志向構造分析」伝承4号2004参照)。今年度は、習熟段階における動感形態の措定問題を主題化し、道しるべとしての処方形態をどのように構成していくかについて、理論的背景をとらえながら研究を行った(研究成果としては、原著論文として発表)。その結果、技能習得の目標像となる運動形態(動感形態)は、たとい絶対時空系の図形認識の装いを持っていようが、その運動形態(図形認識)を自らの運動の構成化に役立てようとする場合、学習者の動感意識レベルに依存することが明らかとなった。つまり、映像情報をいくら精確に提供しても、それを捉える学習者の動感能力が低ければ運動発生に寄与する可能性は低いことになる。むしろ、より正確な情報の提供という自然科学的思考のベクトルから脱却し、よりわかりやすい情報(動感共振情報)をどのように与えるかが焦点となるであろう。この動感共振情報の提供は、少なくとも人間学的視座に基づき検討しなければならない問題であり、より精確な情報提供とは異なり、より特徴を捉えた情報提供(シンボル化)に向かうことになる。その点で、現在の映像メディアの再現性の精確さとは異なる道を歩むことになり、動画による再現よりも、静止画を並べた連続写真や、線画などによる運動描写の意味が顕在化されてくる。次年度は、動感共振情報としてどのような情報が運動発生に役立つのかを検討していきたい。
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Research Products
(1 results)