2004 Fiscal Year Annual Research Report
トップアスリートに対するミトコンドリアDNAのハプログループ分類の試み
Project/Area Number |
16500401
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
押田 芳治 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (10169295)
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Keywords | トップアスリート / ミトコンドリアDNA / ハプログループ / 持久性運動能力 / ATP合成酵素 |
Research Abstract |
持久力に関連するミトコンドリア多型はハプログループAおよびM7b2であった。 ハプログループAでは、ATP合成酵素の第6サブユニットの90番のアミノ酸であるHisをTyrに置換する多型が見出された。ATP合成酵素の第6サブユニットはATP合成を駆動するプロトン輸送に深く関わっている。ATPを合成しているのはミトコンドリアのマトリックス側のATP合成酵素の球状部分(F1)である。プロトンが膜間腔側から入り、第6サブユニットに隣接しているCサブユニットが束ねられた構造の部分(F0)を通過し、F1部分でのATP合成を駆動する。その第6サブユニットの90番のアミノ酸としてHisが通常使われているが、そのTyrへの置換がマラソン選手や駅伝選手において高頻度で検出された。この持久力に関係すると考えられるミトコンドリア多型が世界のどこで高頻度に検出されたかを調べると、ロシア領の極東シベリア最北部のチュクチ自治区の住民においてこの多型の頻度が高い.このことから寒冷への適応能力と持久力の間に関連があることが推定された。 ハプログループM7b2は非肥満者に比して肥満者に高頻度で検出された5ヶ所のアミノ酸置換を伴う多型である。しかし、我々はこのハプログループをすでに男子マラソンの優勝者において検出していた。このことから、ハプログループM7b2型を有する人は持久力が高いが、そのエネルギー効率の良さから、運動不足の状態にあると太りやすいと推定される。 今後、持久能力のみならず、エリートスプリンターや種々の生活習慣病患者のミトコンドリアDNAはプログループ分類も行う予定である。
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Research Products
(6 results)