2005 Fiscal Year Annual Research Report
スキージャンプ踏切局面における最適動作の研究:地面加圧感覚の解析
Project/Area Number |
16500408
|
Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
渡部 和彦 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (20057699)
|
Keywords | 3次元動作解析 / スキージャンプ / 圧力中心 / 身体重心 / 一流選手 / 構え / 加圧感覚 |
Research Abstract |
本年度は、一流スキージャンプ選手の踏み切り局面における構えおよびサッツ動作の解析を行った。それと合わせて、足底部圧力分布と圧力中心点(COP)の移動の特徴を解析した。その結果次のような知見を得ることが出来た。 (1)バイコンシステムによる3次元画像解析装置により、選手のサッツ動作時における構えのシミュレーション実験を行い、身体重心位置(COM)を特定するとともに、地面からのベクトルが圧力中心位置(COP)といかなる関係にあるかを静的な条件のみならずダイナミックな状態で記録し、すぐさまそれを分析して、その場でコーチ・選手に結果を呈示することができた。このことにより、研究者がその実験資料の意義をについて解説・説明し、そのおなじ場所で資料を基に、選手・コーチと共に結果と今後の取り組み方を論議することができた。 (2)足底圧のCOP移動軌跡から、ある選手の特性として、サッツ動作を行わせた際の移動軌跡を分析した結果、COPが足部の尖端近くにまで及んでいるものと、その手前で終了してサッツ動作を行っているものとがあった。その違いは、サッツテクニックおよび跳躍の高さと大変関係があることが判明した。ある一流選手のサッツ直後のスキー板の変動とサッツ動作の選手の特性との関係が明らかとなり、その選手の疑問に対してその場で、実験資料を基にアドバイスなど指導することができた。その結果、選手は、自分の疑問を払拭して自信を持って自己のサッツ動作を行いトリノのオリンピックに出場し、良い成績を上げることができた。このたびの研究における成果の一つであり、少しではあるが我が国のオリンピックの成績に貢献できたと考える。
|
Research Products
(1 results)