2004 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋の肥大・萎縮における熱ショックタンパク質とカルシニューリンの関連
Project/Area Number |
16500414
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大石 康晴 熊本大学, 教育学部, 助教授 (10203704)
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Keywords | Heat shock protein / カルシニューリン / 筋肥大 / 筋萎縮 / ミオシン重鎖 / HSP72 / ラット |
Research Abstract |
1.β2アゴニストであるクレンブテロールをラットに投与し、下肢骨格筋について分析した結果、soleusとgastrocnemius深層部では筋の速筋化と筋線維の肥大が見られたが、HSP72発現量は有意に減少し、カルシニューリン発現量は増加した。Plantarisでは、筋線維の肥大とカルニシューリン発現量の増加がみられたが、筋線維組成とHSP72には変化は見られなかった。これらの結果から、HSP72は筋線維の発現型(筋線維タイプ、ミオシン重鎖)と関連し、カルシニューリンは筋線維サイズと関連する可能性が示唆された。これらの結果はPflugers Archives European Journal of Physiology (2004)に掲載された。 2.ラット下腿部の共同筋切除により残されたplantarisの筋線維は代償的に肥大し、その発現型は遅筋タイプへとシフトする。その際のplantarisにおけるHSP72とカルシニューリンの変化を分析した結果、HSP72、カルシニューリンともに有意な増加が認められた。この肥大plantarisにカルシニューリン阻害剤のシクロスポリンAを投与したところ、カルシニューリンの増加は完全に抑制されたが、HSP72発現量の増加はさらに増幅された。これらの結果から、HSP72は筋のストレスレベルと発現型に、カルシニューリンは筋線維サイズと発現型両方に関与する可能性が示唆された。本結果は、Biochemical Biophysical Research Communication (2005,accepted)に掲載された。
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Research Products
(3 results)