2007 Fiscal Year Annual Research Report
1日に1時間以内で効果が得られる高所トレーニング法の開発と実用化
Project/Area Number |
16500416
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
山本 正嘉 National Institute of Fitness and Sports in Kanoya, スポーツトレーニング教育研究センター, 教授 (60175669)
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Keywords | 高所トレーニング / 低酸素トレーニング / 常圧低酸素室 / ガイドライン |
Research Abstract |
今後普及が期待される簡易な常圧低酸素室を用いて,(1)低地で競技を行うスポーツ選手,および(2)高所へ出かける登山者が,1日に1時間程度で効果が得られるような新しいトレーニング法の開発と実用化に取り組んできた.今年度は4年間の研究期間の最終年度にあたることから,各論的な研究を更に進めると同時に,4年間の研究成果を再分析し,(1)および(2)を対象としたガイドラインをまとめた.その概要は,それぞれ以下のとおりである. (1)スポーツ選手に対するガイドライン:高度は2000mを基準とし,個人差や体調に応じて変化させる.運動強度はできるだけ高強度とする.1回あたりの運動時間は30分間を目安とする.1週間あたりの運動頻度は2〜3回程度とする.運動様式は,競技特性に合わせて持続型またはインターバル型のどちらかを選ぶ.期間は2〜5週間とし,競技会前のピーキングとして行う.効果としては,乳酸が蓄積するような高強度の運動における持久力が改善する.このほかに,無酸素的な運動能力も向上する場合が多い. (2)高所登山者に対するガイドライン:高度は,4000mを基準とし,個人差や体調に応じて変化させる.運動強度は,動脈血酸素飽和度で70〜80%台,心拍数は最高心拍数の60〜70%,主観的運動強度は「楽」〜「ややきつい」を目安とする。1回あたりの運動時間は1時間とし,30分間の安静と30分間の運動で構成する.このトレーニングを4〜6回行うことで初期の高所順化反応が得られるが,実施時期は高所に出かける2週間前〜直前がよい.トレーニングの効果としては,3000m以上の高所に出かけた時にほぼ100%の人がかかるとされる急性高山病が軽減し,安全性と快適性が高まる.また,現地での高所順化期間を短くできるため,身体に無理をかけずに登山期間の短縮を図ることも可能となる.
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Research Products
(7 results)