2004 Fiscal Year Annual Research Report
免疫老化に対する抑制策としての運動の有用性に関する研究
Project/Area Number |
16500418
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
杉浦 春雄 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (40187646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 弘之 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (80082999)
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Keywords | 免疫老化 / 運動 / サイトカイン / Th1 / Th2バランス |
Research Abstract |
老齢前期からの継続的な運動が,免疫老化を抑制し得るか否かについて,脾細胞増殖能,Th1細胞およびTh2細胞が産生するサイトカイン産生能について検討した。生後1年齢のICR系雄性マウスを用いて,運動群と安静群の2群に区分した。運動はマウス用トレッドミルを用いた強制走運動とし,12週間にわたって実施した。 結果の概要は以下のようであった。 1.体重,胸腺重量,副腎重量および筋(前頸骨筋)重量について:(1)体重,胸腺および副腎の相対重量は,両群で同様な値を示し有意差は認められなかった。(2)前頸骨筋の相対重量は,対照群と比較して運動群が高値を示し有意差が認められた。 2.脾リンパ球きのうについて:(1)Con A刺激(72時間培養)に対する脾細胞増殖能では,Con A1μg/ml〜25μg/mlの濃度において運動群が有意に高い値を示した。(2)Con A刺激に対する脾細胞のサイトカイン産生能では,Th1細胞が産生するインターロイキン(IL)-2(IL-2)およびインターフェロン-γ(IFN-γ)が運動群で高い値を示し有意差が認められた。一方,Th1細胞が産生するIL-4は運動群が高い傾向を示し,IL-10は両群同様な値を示し有意差は認められなかった。(3)Th1およびTh2細胞がそれぞれ産生するサイトカイン量の比では,IL-2/IL-4,IL-2/IL-10およびIFN-γ/IL-10のそれぞれにおいて,運動群が高い比を示し有意差が認められた。 以上の結果から,老齢前期からの習慣的な運動は,マウス脾細胞増殖能およびTh1細胞が産生するサイトカインの一部を亢進するものと考えられた。また,習慣的な運動はTh1/Th2バランスをTh1にシフトするものと思われた。このことから,老齢前期からの継続的な運動は免疫老化の予防に寄与する可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)