2007 Fiscal Year Annual Research Report
地域健康づくりとしてのイン・ハウス・トレーニングの開発と実践
Project/Area Number |
16500432
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
中谷 敏昭 Tenri University, 体育学部, 教授 (60248185)
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Keywords | 地域健康づくり / 筋力トレーニング / Borg指標 / 自覚的運動強度 / 体力アセスメント / 心拍数変化 / 生理学的運動強度 / 筋電図 |
Research Abstract |
平成19年度は,平成18年度から継続しているイン・ハウス(自宅)での筋力トレーニングとして,ホームセンターなどで手軽に購入できるダンベル(1.5〜2.5kg)を用いて筋力トレーニングを行わせ,筋力と筋持久力,心拍数,筋電図仕事量(RMS)への影響をトレーニング前後で比較検討した. 被検者は39〜67歳(平均49.1歳)の健康な成人女性12名で本研究に同意した者であった,トレーニング強度は日本や語標記による自覚的運動強度スケールで「かなり効いてきた」と感じる回数までアームカール運動を1セット行わせ,週に2〜3日の頻度で2〜3ケ月にわたりトレーニングを継続させた.筋力トレーニングは非利き腕(トレーニング側)のみとし,利き腕(コントロール側)はコントロールとした. 筋力トレーニング頻度は期間中に平均30.1回実施し,2.6日に1回の割合であった.筋力(等尺性肘関節屈曲力)はトレーニング側で22%,コントロール側で16%の有意な増大がみられた.筋持久力(アームカールの限界数)はトレーニング側で59%,コントロール側で24%増加しトレーニング側のみ有意に増加した.本研究の筋力トレーニングはコントロール側の筋力および筋持久力にcross-education効果を生じさせた.心拍数はトレーニング前後とも各スケールで差はなかった.RMSはトレーニング側の「かなり効いてきた」スケールで22%の増加,「もう限界」スケールで10%の増大が認められたが有意な差には至らなかった.コントロール側は両スケールにおいてトレーニングによる影響はなかった. 以上のことから,日本語表記による活動筋の自覚的運動強度スケールを用いた筋力トレーニングは,心拍数や筋電図仕事量に影響はなかったが,トレーニング側の筋力と筋持久力を増大させるとともにコントロール側へもcross-education効果を及ぼすことが明らかになった.今後は,筋力トレーニングの種類を変えて継続的に効果を検証して日本語標記による自覚的運動強度スケールの有用性を検討していきたい.
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