2005 Fiscal Year Annual Research Report
性周期・運動トレーニングが若年女性における運動時の熱放散反応に及ぼす影響
Project/Area Number |
16500435
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Research Institution | Osaka International College |
Principal Investigator |
小倉 幸雄 大阪国際大学短期大学部, 幼児保育学科, 助教授 (00300301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 芳光 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (70144566)
近藤 徳彦 神戸大学, 発達科学部, 教授 (70215458)
米浪 直子 大阪国際大学短期大学部, 家政科, 助教授 (70291979)
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Keywords | 卵胞中期 / 黄体中期 / 持久的運動トレーニング / 脱トレーニング / 発汗量 / 皮膚血流量 / 食道温 / 女性ホルモン濃度 |
Research Abstract |
若年女性において短期運動トレーニングおよび脱トレーニングが常温環境下中等度運動時の熱放散反応に及ぼす影響について検討するために,性周期を考慮して運動習慣のない11名の女性に約3ヶ月間〔3名は卵胞中期から(F群),8名は黄体中期から(L群)の3性周期サイクル〕の持久性運動トレーニング〔環境温30℃(45%RH)で最大酸素摂取量の約60%強度の自転車運動を1日60分間,週4-5日〕を実施した.トレーニング前(Pre)とトレーニング期間中に3回(T1,T2およびT3)およびトレーニング終了後に2回(D1およびD2)の計6回,環境温25℃(45%RH)で30分間の50%VO2max強度の半仰臥位自転車運動の運動実験(SET)をF群は卵胞中期に,L群は黄体中期にそれぞれ行なった.トレーニング時の運動負荷には両群間で有意な差はみられず,最大酸素摂取量は両群とも平均して15.7%程度有意に増加した.F群およびL群とも血漿女性ホルモン濃度は運動トレーニングで有意な変化は認められなかった.安静時HR,安静およびSET時の食道温はF群およびL群ともT1で有意に低下し,その後,T3までその値を維持した.F群において発汗量はT1およびT2でPreから有意に増加したが,L群では有意な変化は認められなかった.一方,皮膚血流量はF群およびL群とも有意な変化はみられなかった.各熱放散反応の体温閾値は両群ともT1で有意に低下し,その後T3までその値を維持した.各熱放散反応の感受性は両群ともトレーニングに伴う顕著な変化はみられなかった.これらのトレーニングの影響はD1で消失し,Preレベルに戻った. 以上の結果,女性においてトレーニングを開始した性周期相にかかわらず約3ヶ月の運動トレーニングにより熱放散反応の体温閾値が低下し,熱放散反応は改善されることが示唆された.熱放散反応の量的な改善は発汗反応のみにみられ,この改善は黄体中期からトレーニングを開始したL群より卵胞中期から開始したF群で顕著であることが示された.また,トレーニングの効果は1ヶ月目までに生じ,トレーニング終了後1ヶ月目までに消失することが示唆された.
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Research Products
(3 results)