2005 Fiscal Year Annual Research Report
行動変容理論を適用した運動行動改善のためのeラーニング・システムの開発と評価
Project/Area Number |
16500442
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田中 俊夫 徳島大学, 大学開放実践センター, 助教授 (00263872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 敦也 徳島大学, 大学開放実践センター, 教授 (50191573)
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Keywords | 行動理論 / eラーニング / 行動変容 / 認知行動介入 / セルフモニタリング |
Research Abstract |
【目的】 本研究は、運動行動改善のための学習システムを構築し、eラーニング・システムとしてWeb上に展開すること、さらにはそのシステムを運用した学習プログラムの成果を検証することを目的とした。 【概要】 行動理論におけるセルフモニタリングの概念をベースとした「アクティブ・シニア・ツール」をWEB上のプログラムとして制作した。内容は、認知行動理論を適用した「アクティブライフ・セルフチェック」と日々の運動量を記録する「運動記録」、そしてそれらのデータ管理用のプログラムである。 次に、eラーニングのHP「アクティブライフ・チャレンジプラン」を作成し、「アクティブ・シニア・ツール」へのリンクを貼った。 プログラムの運用では、36名の被験者に2ヶ月間の運動習慣改善プログラムを実施した。被験者は、HPから個々の「アクティブ・シニア・ツール」のページにログインし、日々の運動記録を入力し、2週間に1度「アクティブライフ・セルフチェック」を実施した。プログラム管理側は、定期的に運動記録をチェックして、ドロップアウトの防止に務め、定期的にメールによるコメントの交換も実施した。 【結果】 運動記録より、プログラム1ヶ月目の平均歩数(1日あたり)8744歩に対し、2ヶ月目には10032歩と1287歩有意に増加した。また、アクティブライフ・セルフチェックより、「A健康」、「B運動と体力」、「C日常生活運動」、「D各種運動習慣」のいずれも有意に改善されていた。特に「C日常生活運動」は平均得点で6.1点(50点満点)増加し、生活の中での運動習慣が変化してきたことを示した。具体的には「工夫して歩くようにしている」や「通勤や買い物にはなるべく歩くか自転車を使う」、「歩いて15分の移動距離なら歩く」などの改善が著しかった。また、ウォーキングなどの有酸素運動やストレッチの実施頻度が上がり、「忙しくても運動できる」など運動実施に対する自信も向上していた。また、肩こりや胃腸の調子、ストレス解消などの健康面での成果も自覚されていた。 【まとめ】 本システムの構築・運用により、被験者に運動の継続・強化とその成果が確認された。運動習慣改善のためのeラーニング・システムとして今後の有効活用が期待される。
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