2004 Fiscal Year Annual Research Report
運動・スポーツ活動のドラマチック体験と生きる力の養成-生きる力の共分散構造分析-
Project/Area Number |
16500444
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
橋本 公雄 九州大学, 健康科学センター, 教授 (90106047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸野 俊一 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (30101009)
杉山 佳生 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (50284922)
西村 秀樹 九州大学, 健康科学センター, 教授 (90180645)
藤永 博 和歌山大学, 経済学部, 助教授 (20238596)
中島 俊介 東筑紫短期大学, 助教授 (80183507)
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Keywords | スポーツ / ドラマチック体験 / エピソード / ライフスキル / 心理的スキル / 生きる力 / 心理的・社会的効果 / つまずき体験 |
Research Abstract |
平成16年度は、スポーツにおけるドラマチック体験とその体験が及ぼす心理的影響に関し、一般学生とスポーツ競技選手を対象に自由記述法による調査、アテネオリンピック出場選手(柴田亜衣選手、800m水泳)へのインタビュー調査、パイロット調査のデータ分析などを行った。このテーマに関する先行研究は皆無であるので、まず、「スポーツドラマ体験とは何か」について定義を試み、劇やシナリオの創作活動における文献研究をとおして、「練習や試合を通して体験した心に残るよい出来事や悪い出来事を含むエピソード」と定義した。 調査研究では、小中高いずれかの時代にスポーツ経験を有する大学生117名を対象に、スポーツドラマ体験を尋ねたところ、スポーツドラマ体験は「試合」というイベントと普段の練習の過程における「指導者」、部内の「役割」、「練習」、「人間関係」をとおして生起し、その体験は心理・社会的側面に大きな影響を及ぼしていることが明らかにされた。また、負の出来事すらポジティブな捉え方をしている者が多く、スポーツで体験する様々な出来事が子どもや青少年の心の成長に良い影響を及ぼしていることを示唆するデータが得られた。 柴田亜衣選手へのインタビューからは、彼女には大きなつまずき体験やスランプは体験していなかったが、非常に楽観性を有していることが判明した。この心理的特性はパフォーマンス発揮に老いては重要な特性でもあるが、水泳競技の中で培われたものであることが垣間見られた。 なお、今年度の調査とインタビューから得られた質的研究の結果は、日本体育学会が出版している「体育の科学」に「スポーツにおけるドラマ体験とライフスキル」と題して執筆依頼を受け投稿した。
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Research Products
(1 results)