2004 Fiscal Year Annual Research Report
性教育の体系化とエビデンスに基づいた実行可能な性教育モデルの開発に関する研究
Project/Area Number |
16500454
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
松浦 賢長 福岡県立大学, 看護学部, 教授 (10252537)
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Keywords | 性教育 / 性指導 / 集団指導 / 小集団指導 / 専門家地域連携 / 保護者連携 / 低年齢化認識 / 量的認識 |
Research Abstract |
学校におけるエビデンスに基づいた性教育の新しい実践モデルを開発するために,まず,学校現場の教職員における性教育および子どもたちの性の状況に関する認識について把握した。全国各地の保健主事,養護教諭を対象とした研修会等の集まりにおいて質問紙調査を実施したところ,対象者には「性教育をより早くからより多く,かつすべての子どもたちにするべきである」と考える傾向がみられた。その根拠として「性の低年齢化」があげられていた。この根拠のもと量的な性教育推進の必要性認識につながっていると考えられた。一方,学校外の専門家,たとえば地域保健師を対象とした同様の調査では,よりその傾向が強いことが把握された。つぎに,九州・沖縄の全中学校および高校の養護教諭を対象に,性教育を実践する際の工夫について質問紙調査をおこなった。その結果,現在の学校における性教育・性指導については,学内の教職員が指導する場合にはクラスを対象とした集団指導が,学外の専門家が指導する場合には学年・学校を対象とした集団指導が主流であることがわかった。必要な指導を必要な子どもたちへという考えから実践される小集団指導については,まだその実践割合は低いことがわかった。その一方,必要な場合には性別指導をおこなうという考えのものが過半数近くみられていた。性教育・性指導には子どもたちの保護者の理解と連携が不可欠であるが,保護者に実践の内容を伝えている割合や保護者に実践の内容を相談している割合は5%以下と,かなり難しい状況にあることが明らかになった。
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