2004 Fiscal Year Annual Research Report
食後高脂血症および運動負荷と酸化ストレスに関する研究
Project/Area Number |
16500461
|
Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
内藤 通孝 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (10198012)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 陽二 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教授 (30305693)
平田 絵里子 椙山女学園大学, 生活科学部, 助手 (70387603)
|
Keywords | 食後高脂血症 / トリグリセリド / 脂肪負荷試験 / 女性 / 閉経 / レムナント / リポタンパク質 |
Research Abstract |
食後高脂血症とは、食後の血清トリアシルグリセロール(TG)値が異常に上昇、あるいはTG上昇が遷延した状態を指し、空腹時には正脂血を呈する病態である。日本人の冠動脈疾患患者には顕著な高脂血症は必ずしも多くなく、食後高脂血症のような潜在するリポ蛋白代謝異常は今後注目すべき病態であると考えられるが、食後の脂質変動を観察できる脂肪負荷試験法は未だ確立されていない。本研究では、経口脂肪負荷試験法の標準化に向けた基礎的検討として、健常若年および閉経前後女性を対象に閉経や加齢が血中脂質変動に及ぼす影響を解析した。試験は若年、閉経前・後の健常女性各群9名を対象とした。被験者は12時間以上の絶食状態で、OFTTクリームを1g/kg体重経口負荷した。経時的に肘静脈から採血し、血清脂質等を分析した。その結果、食後高脂血症の原因であるTG、およびTG代謝の指標となるTG-rich lipoprotein (TRL)-TG、RLP-TGは3群とも負荷2時間後にピークを示し、負荷6時間後には負荷前値まで低下した。しかし、低下開始時間が異なり、いずれの測定項目も若年群は2時間後から、閉経前・後群では4時間後から有意に低下した。試験中を通してRLPはTRLと正相関を示した。また、閉経後群のHDL-Cは若年群と比べて有意に低値を示し、LDL-Cは若年群より有意に高値を示したが、閉経前・後群間では差がみられなかった。各測定項目の曲線下面積(AUC)は、すべてのリポタンパク脂質変動と強い正相関を示した。また、TG(最大値-負荷前値)はAUCおよびΔAUCと正相関を示した。試験中を通してRLPはTRLと正相関を示した。以上、OFTTクリーム1g/kg体重を経口負荷後6時間の観察により、潜在的な疾患である食後高脂血症を発見できる可能性が示された。
|
Research Products
(6 results)