2005 Fiscal Year Annual Research Report
身体的コミュニケーションとしての動作速度調整に関する生理心理的検討
Project/Area Number |
16500462
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
成瀬 九美 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (90193581)
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Keywords | 身体的コミュニケーション / Preferred Pace / 速度調整 / ゆっくりとした速度 |
Research Abstract |
1.様々な動作速度の遂行時に得られる快感情評価から因子構造を明らかにし『せかせか(不快な速さ)」「軽快(快い速さ)」「ゆっくり(快い遅さ)」「のろのろ(不快な遅さ)」の4因子を得た。小筋動作課題(Circle Drawing課題)の遂行数に有意差が認められ、「せかせか」「軽快」「ゆっくり」「のろのろ」の順となり、Preferred Paceは「軽快」と「ゆっくり」の間にあった。「せかせか」時の難易度は高く快感情は低かった。Preferred Paceの遅速は「ゆっくり」速度遂行時の快感情に影響し、Preferred Paceの遅い人は速い人よりも快感情評価が有意に高かった。 2.周期的に呈示される音刺激を聞き、その音の合間にボタンを押す課題を用いて、3種類の音間隔(Fast:2秒間隔、F条件;、Middle:4秒間隔、M条件;Slow:6秒間隔、S条件)に対する影響を比較した。打叩間隔の変動係数はF条件が最も小さかった。S条件の変動係数は最も大きく、難易度の評価点が高かった。タイミング誤差はS条件とM条件で延長、S条件では短縮傾向を示した。S条件の呼吸数は減少し、最終試行では安静時よりも減少した。怒り、不安、倦怠の評価点は全てS条件において高かった。ゆっくりとした刺激周期への同期は難易度が高く、呼吸数の減少や不快感情を伴うことが明らかになった。 3.グループワークの即興表現におげる表現役割と個人のコミュニケーション能力との関連性について、ワーク中の意識調査・及び自己表出や自己呈示に関わる性格検査を実施した。外向性得点とワーク参加の積極性の間に有意な正の相関を認めた。一方、他者の表現認知に関する項目(仲間が自分に同調しているか、自分が展開から外れていないか)の間に有意な負の相関を認めたことから、外向性の高さは、非言語コミュニケーションの表出能力と認知能力の両側面には関連しないといえる。
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Research Products
(2 results)