2005 Fiscal Year Annual Research Report
超音波組織ドプラによる運動療法、各種薬物療法での大動脈コンプライアンス変化の比較
Project/Area Number |
16500463
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
木村 穣 関西医科大学, 医学部, 助教授 (60298859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
拝殿 未央 関西医科大学, 医学部, 助手 (80351534)
居原田 善司 関西医科大学, 医学部, 助手 (00351502)
山本 哲史 関西医科大学, 医学部, 助手 (10298888)
小崎 篤志 関西医科大学, 医学部, 講師 (40330188)
岩坂 壽二 関西医科大学, 医学部, 教授 (00098120)
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Keywords | 超音波組織ドップラ / 大動脈コンプライアンス / 脈波伝搬速度 / 運動療法 / 有酸素運動 |
Research Abstract |
超音波組織ドプラによる運動療法、各種薬剤での大動脈コンプライアンス変化の比較 【目的】超音波組織ドプラを用い、運動療法により大動脈コンプライアンスはどの程度変化するか、またその変化は薬剤による変化と程度や機序が異なるかどうかを検討した。 【方法】平均年齢58±9才、耐糖能異常、高脂血症、軽症高血圧、肥満症例に、運動療法のみを施行した19例、ACE阻害剤10例、Ca拮抗剤11例、スタチン製剤9例の合計49例、対照例として新たな運動療法、薬剤治療を施行しなかった16例で検討した。 超音波組織ドプラによる上行大動脈壁部strain rate : SR、および脈波伝搬速度(PWV)を測定した。運動療法は有酸素運動を3ヶ月施行した。非運動群では、塩酸テモカプリル4mg、ベシル酸アムロジピン10mg、プラバスタチンナトリウム10mgのいずれか1種類を、3ヶ月服用した。 【結果】運動療法により体重、血圧、PWVは有意に減少した。SRは減少傾向を示した。塩酸テモカプリル、ベシル酸アムロジピン投与群では血圧は有意に減少し、PWVは有意に減少したがSRは有意な変化は認めなかった。プラバスタチンナトリウムではSR、PWVともに有意な変化を認めなかったが、コレステロールの変化量とSRの変化量に負の相関関係を認めた(r=-0.42、p<0.06)。コントロールでは、SR、PWVともに有意な変化は認めなかった。 【考察】運動療法では、組織ドプラで評価される大動脈局所コンプライアンスの改善と、PWVで評価される動脈全体のコンプライアンスの両方の改善が示唆されたが、降圧剤では局所コンプライアンスの改善は認めなかった。スタチン製剤では局所のコンプライアンス改善の可能性が示唆された。 以上より超音波組織ドプラによる動脈コンプライアンスの評価は、運動や各種薬剤の効果判定、その作用機序の解明に有用と考えられた。
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