2006 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝的要因と心理的モチベーションを考慮した運動習慣確立のための支援プログラム開発
Project/Area Number |
16500469
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Research Institution | Toyama Institute of Health |
Principal Investigator |
長瀬 博文 富山県衛生研究所, 環境保健部, 技術吏員 (00251918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 朋子 富山県衛生研究所, 環境保健部, 副主幹研究員 (30416086)
堀井 裕子 富山県衛生研究所, 環境保健部, 主任研究員 (50416088)
大下 喜子 熊本県立大学, 環境共生学部, 講師 (80233097)
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Keywords | 心理的モチベーション / 運動継続 / 体重変化 / 歩数計 / 肥満遺伝子 |
Research Abstract |
目的:平成16-17年度に実施し蓄積した3集団の調査データに基づき、体重減少と糖脂質代謝異常改善に与える運動負荷や遺伝的素因の影響、および継続した運動習慣の確立への心理的モチベーションの影響等を明らかにする。そして、これら影響要因を考慮したテーラーメイドの運動指導、および運動習慣確立のための支援プログラムについて考察する。 対象:T県職員およびA企業に勤める30歳以上の男性で、職場の健康診断によりBMIが25.0以上の者に呼びかけを行い、このうち、医師により4ヶ月運動(ウォーキング)が継続可能と診断され、インフォームドコンセントにより承諾が得られた84名(平均年齢46.8±7.1歳)が調査対象である。対象者は、後述する3回の調査期間に参加したが、1回目に参加した者のうち12名が2回目にも参加したため、述べ対象者数は96名(1回目38名、2回目26名、3回目32名)である。 方法:調査期間は、平成16年11月から平成17年12月の間の連続した4ヶ月間である。調査開始前の約1週間はベースライン測定期間とし、長時間記録型歩数計(以下ライフコーダ)にて、ベースラインの歩数、速歩時間を求めた。その後、正しいウォーキングの方法を説明した後に調査を開始し、調査期間中の歩数、速歩時間を計測した。また、調査開始時と終了時に身体計測、血液検査、質問票調査を行った。質問票調査は、血液検査等結果通知の際にも実施した。 結果:歩数増加および速歩時間増加が体重減少に強く関連していた。この関連性は、無関心期、関心期の群(定期的運動のない群)においてより顕著に認められた。肥満関連遺伝子は体重減少に影響しなかった。特に歩数が千歩増加した群は「体重減少を伴う運動効果が認められた運動継続群」とみなされ、それ以外の群と比較し、運動継続に寄与する要因を検討した。その結果、年齢、血液検査の受け止め方、現在通院状況、降圧剤服薬状況、婚姻状況、ウォーキング効果を身体で感じることが運動継続と関係する要因として抽出された。従って、運動習慣確立のための支援には、検査結果の受け止め方、治療状況、家庭環境、自己成功体験等、運動継続に寄与する要因を加味することで、より効率的かつ効果的なプログラムが設定できる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)