2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500474
|
Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
織田 博則 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80131176)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 昌子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (20104086)
谷田貝 麻美子 千葉大学, 教育学部, 助教授 (20200595)
前川 昌子 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (90144633)
杉山 章 名古屋女子大学, 短期大学部, 教授 (30196761)
小見山 二郎 実践女子大学, 生活科学部, 教授 (60016574)
|
Keywords | 天然素材含有色素 / 日光堅ろう度改善 / 有効利用 / 紫イモ / 防汚効果 / 地球環境負荷 / ムクロジ果皮 / 機能性衣料 |
Research Abstract |
未利用天然素材の有効利用を目的として、天然物含有色素の日光堅ろう度改善を、紅花赤色素カルタミンを代表色素に選び検討した。その結果、カルタミンの光安定性に及ぼす濃度効果は殆ど見られなかった。添加物による検討により、一重項酸素増感剤の添加で退色は加速し、脱活性化剤により抑制された。また、自動酸化防止剤添加による抑制も見られたことから、カルタミンの光退色は自動酸化と一重項酸素酸化が同時に起こっていることが示唆された。日光堅ろう度改善法としては、紫外線吸収剤の効果を検討したが、効果は非常に薄いことが分かった。次にニッケル錯体については、ニッケルアリールスルホン酸添加が有効であったが、高濃度での処理が必要なため、更に検討した結果、水酸基を1個導入することにより、低濃度で有効な抑制効果が発現した。次に紫イモ含有色素の染色と堅ろう性の検討を行った結果、色素の抽出は一旦冷凍して、解凍し、単に絞るのが有効であった。アルミニウム、鉄、銅塩の3種の媒染剤を用い、綿、レーヨン、毛、絹を染色した結果、綿は染まらなかったが、毛は染まりにくく、絹には高濃度で染色でき、日光堅ろう度も3級と優れていた。クエン酸処理による繊維素材の防汚効果ならびにSR効果の発現実験では、クエン酸処理はDP性能付与に加えて、布の諸物性を変化させ、防汚性や洗浄性に影響を与えることが明らかになった。色素の光安定化剤として有効な効果を示した、アリールスルホン酸誘導体のニッケル錯体の抗菌評価では、JIS規格にのっとり、検討した。その結果、塩基性染料はブドウ球菌にハローの出現が見られたが、合成された化合物は、全てハローの出現は見られず、地球環境にやさしい化合物であることが明らかになった。ムクロジ果皮の再汚染防止剤としての検討は、非常に低濃度で、綿布やポリエステル布へのCBの汚染防止に貢献し、抗真菌作用も有することから、有効利用が期待されることが明らかになった。天然素材を用いた機能性衣料の開発研究は、損傷羽毛の消臭剤化をはじめとして、インジゴの媒染による綿への、消臭機能の付与などを検討し、実用の綿で早い消臭性が実現した。
|
Research Products
(1 results)