2004 Fiscal Year Annual Research Report
現代社会における年齢差別(エイジズム)の実態解明と高齢化教育の推進
Project/Area Number |
16500475
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
杉井 潤子 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (70280089)
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Keywords | 高齢者 / 年齢差別(エイジズム) / 高齢化教育 / 不適切な対応 / 虐待 |
Research Abstract |
少子高齢化の進行が著しい現代社会にあって、年齢差別(エイジズム)、さらには老齢者に対する虐待が社会的対応を要する緊急課題となっている。そこで、本研究では、年齢差別(エイジズム)の実態を把握するとともに、そのような意識がどのように生み出されていくのか、そのプロセスを明らかにすることを目的とした。それを解明することによって、年齢差別、ひいては老齢者に対する虐待の解消に向けて、学校教育および生涯教育の双方から「高齢化教育」をいかに効果的に行うかという方向性を見出すことができると考える。 今年度は調査実施に向けて先行研究の知見整理および調査項目の検討、分析枠組の構築、さらには調査票の作成、調査対象者の選定をおこなった。 具体的には国内外のエイジズムおよび高齢者虐待に関する研究成果を渉猟し、 ・なぜ、高齢者への虐待が起こるのか ・なぜ、高齢者を虐待せざるを得ない状況が生まれるのか 年齢差別(エイジズム)意識と、実態としての日常生活場面での高齢者への不適切な対応とを関連づけ、虐待防止の実態の研究ではなく、虐待予防に向けて虐待構造の解明の研究として位置づけることとした。調査内容としては、I 年齢差別(エイジズム)意識生成プロセスの解明と、II 高齢者に対する「不適切な対応」に関する意識的(意図的)および無意識的(無意図的)行為実態および意識の解明の二つの分析枠組を想定し、近畿2府4県の40歳以上の男女個人(40歳代・50歳代・60歳代・70歳代以上)1800人を対象として意識調査を行うこととした。加齢と年齢差別(エイジズム)との関連を検証するとともに、身体状況および介護状況による「不適切な対応」に関する意識の差異を検証する予定。
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