2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500497
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Research Institution | Kyoto Women's Junior College |
Principal Investigator |
渡邊 敬子 京都女子大学短期大学部, 生活造形学科, 講師 (80369652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 政明 岐阜大学, 工学部, 教授 (20021602)
大村 知子 静岡大学, 教育学部, 教授 (00096786)
矢井田 修 京都女子大学, 家政学部, 教授 (50029352)
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Keywords | 衣服設計 / 高齢者 / 動作解析 / バリアフリー / 着脱動作 |
Research Abstract |
高齢者が既製衣料の着脱の困難さに不満を感じていることが報告されている。この問題を解決するために、高齢女性の上衣の着脱動作、主として上肢体の動きを観察することにした。これには、着衣したジャケットの影になって直接ビデオ撮影できない手首、肘、肩などの関節の位置を捉える方法が必要である。そこで、このための方法について開発し、さらに高齢者を被験者にジャケットの構造の違いによる着脱の所要時間の差、動作の差など比較、検討した。 被験者:愛知県一宮市在住の健康な高齢女性36名である。年齢は62〜88歳(平均年齢78歳)。実験方法:ジャケットの着脱の様子を8台のビデオカメラで撮影した。着衣の動作のパターンを分類し、さらに着衣動作を6つに区切りその所要時間を算出して、比較検討した。また、三次元動作分析システムIMpro-3Dで関節に貼り付けたマーカーの3次元座標地を時系列に算出して動作の解析を行った。官能評価:着脱のしやすさについて、聞き取り調査を行った。実験衣:ジャケットAはベーシックな形のノーカラーで二枚袖の一重仕立てとして、これを展開したジャケットB、ジャケットCを作成し、構造の違いによる差について検討した。それぞれ4サイズを製作し、袖丈については被験者に合わせて都度調節した。 被験者の体表に特殊なマーカーを貼り付けることによって、着衣時の上肢の動きを正確に捉えることができた。また、3種類のジャケットの着衣時の時間には、有意な差が認められた。このことから、基準としたこれはベーシックなタイプのジャケットよりも、マチなどの構造を加えたタイプのジャケットの方が着やすいこと示唆された。このことは動作の軌跡からも確認された。
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