2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500497
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Research Institution | Kyoto Women's Junior College |
Principal Investigator |
渡邊 敬子 京都女子大学短期大学部, 生活造形学科, 講師 (80369652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 政明 岐阜大学, 工学部, 教授 (20021602)
大村 知子 静岡大学, 教育学部, 教授 (00096786)
矢井田 修 京都女子大学, 家政学部, 教授 (50029352)
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Keywords | 着脱動作 / 動作解析 / 衣服設計 / 高齢者 / 障害者 |
Research Abstract |
高齢者や障害者の間で、衣服の着脱に困難が感じられていることが報告されている。このことを受け、本研究では実際の高齢女性や片麻痺や拘束の擬似障害を設定した学生などを被験者にして衣服の構造や種類による着脱の様子を分析した。主な結果は以下のようである。 まず、従来の機器では、衣服の着脱動作を捉えようとすると、人体表面につけたマーカーが衣服によって見えず、動きが捉えられなかった。そこで、本研究では新しくLEDの特殊なマーカーと3次元動作解析分析システム(IMpro-3D)によって、この問題を解決しその精度が確認した。 次ぎに、特に障害など持たない高齢女性68名と若年女性19名を対象に3種類のジャケット(ノーカラーで二枚袖のジャケット、これと同じパターンで背面に2箇所のプリーツ(合計12cm)もつもの、袖下に三角マチがはいっているもの)の着脱の様子を8台のビデオカメラで撮影し、解析を行った。着衣時間や動作の軌跡から、袖下に三角マチがはいっているものは、高齢・若年ともに腕が通しやすいという効果があると考えられた。また、高齢女性、特に肩鎖関節の自動可動域が狭い人にとって、背中にマチの入ったタイプは、背幅が広くなることによって、手首をアームホールに入れる動作が容易になることが明らかになった。 さらに、高齢女性19名、擬似障害の学生37名を被験者に、前明きシャツの構造や寸法を変えた4種類のシャツの着脱動作を4台8台のビデオカメラで撮影し、解析を行った。擬似障害を設定することで学生の着衣動作は設定前と変化しており、擬似障害は障害者のシミュレーションとして有効と考えられた。擬似障害では1サイズ大きいシャツのほうが着脱はしやすいと感じられたが、着装時には大きすぎると感じられ、着崩れを引き起こす可能性が見られた。サイズ全体を大きくするよりも部分的な構造の変化で対応できることが必要といえた。
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Research Products
(4 results)