2004 Fiscal Year Annual Research Report
素材布物性・開口部・ゆとり量が身体活動時における部位別衣服換気量に及ぼす影響
Project/Area Number |
16500498
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Research Institution | Osaka Shin-ai College |
Principal Investigator |
上田 博之 大阪信愛女学院短期大学, 教授 (00203448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 芳光 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (70144566)
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Keywords | 衣服換気 / 通気性 / 衣服開口 / ゆとり / 部位差 |
Research Abstract |
(1)素材布の通気性が部位別換気量に及ぼす影響:同型のタイベックス製ジャケットとパンツを用いて、通気性の異なる3種のウェア(通気抵抗S0:∞、S1:2.5、S2:1.1[kPa・s/m])を作成した。これらのウェアを同一被験者に着用させたときの衣服換気量を、立位と歩行(1m/secのトレッドミル運動)および無風と風速1m/secの向い風を組み合わせた4種の実験条件下で身体6部位(胸・背・上腕・前腕・大腿・下腿)で検討した。無風立位時,無風歩行時,向い風の立位時,向い風の歩行時における全身の換気係数は,S2がS0よりそれぞれ43,17,24,28%増加したが、通気性増大に伴う換気量増加の程度に身体部位差が存在した。無風立位時は大腿、下腿で、歩行時は背で、また、向い風の立位時は、背、上腕、下腿で、歩行時は背、上腕、下腿で、それぞれ換気量が増加した。スポーツウェアの設計において、素材布の通気性改善による衣服換気量の増加は風や動作で修飾されるものの、本実験条件の範囲内では背、上腕、下腿でみられることが示唆された。 (2)衣服のゆとり量と開口部が部位別換気量に及ぼす影響:通気性素材(S2)から作成したゆとり量の異なるジャケットとパンツを用いて、襟・裾・袖の開口部を開閉する条件を加え,向い風の歩行時における身体6部位の衣服換気量を検討した。ゆとり量が大きい衣服は小さい衣服に比べて、開口部のある衣服では上腕、前腕、大腿、下腿で、開口部のない衣服では大腿、下腿で換気量が増加した。また、開口部のある衣服は開口部のない衣服に比べて、ゆとり量の小さい衣服では胸、背,前腕で、ゆとり量の大きい衣服では胸、背、上腕、前腕で換気量が増加した。衣服のゆとり量と開口部の開閉は衣服換気量増加に相互作用があり、ゆとり量の増加は四肢部で、襟、袖、裾の開口は躯幹部及び上肢部で換気量を促進することが示唆された。
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Research Products
(2 results)