2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500505
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
藤原 葉子 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (50293105)
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Keywords | メラニン / チロシナーゼ / 食品成分 / B16メラノーマ細胞 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
紫外線照射によって引き起こされる細胞内DNAのダメージは、深刻になれば皮膚がんなどの原因となるが、DNAが損傷されるほど強くなくても、紫外線は体表面の皮膚細胞の酸化ストレスを引き起こす。このような紫外線による悪影響を防ぐために、これまでの研究は皮膚にサンスクリーンを塗布して遮断することが主であった。しかし、皮膚がんが深刻な問題である欧米諸国においても、サンスクリーンだけでなく、普段摂取している飲料や食物で体内から日常的に紫外線による酸化ストレスを軽減することが望まれている。本研究は、皮膚を通して紫外線を浴びたときの悪影響を食品として経口摂取することによって防ぐため、紫外線によって活性化されるメラニン合成を抑える食品成分のスクリーニングを行い、その防御メカニズムを分子レベルで明らかにすることを目的とした。 本年度はまずメラニン合成抑制作用を持つ食品成分をスクリーニングするために、マウス由来B16メラノーマ細胞を用いてメラニン生成量およびB16細胞内におけるメラニンの合成酵素であるチロシナーゼに対する阻害効果を調べた。食品成分は長期間経口からの摂取することを想定して、飲料水としての茶を中心に、沖縄原産のグァバ茶、モモタマナ、ウコン、クリアスキップ、ギン茶、ヒーリングホワイトについて検討した。サンプルはそれぞれ熱水で5分間抽出し、凍結乾燥した抽出物を、一日おきに培地に添加した。B16メラノーマ細胞中のメラニン量を測定したところ、無添加のコントロールに比べて約80%程度に低下したが、他のサンプルでは有意な差は認められず、逆にギン茶では1.5倍程度増加した。サンプルを添加した細胞中のチロシナーゼ活性を測定したところ、クリアスキップで減少傾向が見られたが、他のサンプルでは顕著な活性低下作用は見られなかった。また細胞から調製したチロシナーゼに直接サンプルを添加しても効果は認められなかった。
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