2005 Fiscal Year Annual Research Report
食肉スープストック中のペプチドに及ぼす食肉種の影響および調理条件の検討
Project/Area Number |
16500513
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田島 真理子 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (10117541)
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Keywords | スープストック / 鶏肉 / コラーゲン / ゼラチン / ELISA |
Research Abstract |
食肉から調製したスープストック中にはうま味の中核をなすイノシン酸やアミノ酸の他に,近年骨密度や骨強度の増加に対する効果,変形性関節症の改善効果などの機能が示唆されているコラーゲンが溶出する。スープ中に加熱溶出したコラーゲンは,ゼラチンとしてスープストックにとろみを加え,味にも貢献すると考えられる。これまで,コラーゲンの定量には,コラーゲンに特異的なアミノ酸であるヒドロキシプロリンを定量し,コラーゲン量を推定する方法が多くとられている。しかし,この方法は試料の酸加水分解,その後のヒドロキシプロリンの定量と方法が煩雑である。そこで本研究においては,スープストック試料中のコラーゲン由来物質をELISA法を用いて直接測定する方法について検討を行なった。 本実験においては,鶏スープストック中のコラーゲン由来物質を抗原とし,鶏タイプIコラーゲン抗血清(ウサギ)を用いてindirect ELISA法についてその条件を検討した。二次抗体はペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgGヤギを,酵素活性測定にはPOD基質OPDキットを用い,490nmでの吸光度を測定した。標準物質としての鶏タイプIコラーゲンを濃度0〜10μg/ml (pH7.6)の間で1夜低温下でプレートを吸着させ,その後ELISA法により測定した結果,0〜0.02μg/mlで濃度と吸光度の間に直線性が見られた。しかし,試料中のコラーゲン由来物質のELISA法による測定においては現時点で再現性が得られず,今後さらに検討を行なう予定である。
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