2004 Fiscal Year Annual Research Report
咀嚼・嚥下困難者に適応できる米飯からの粥飯調整法の検討
Project/Area Number |
16500514
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
貝沼 やす子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (90071000)
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Keywords | 加水量の異なる米飯 / 米飯粥 / テクスチャー測定 / 破断強度測定 / 官能検査 / 真空包装 / 真空調理 / 米粥 |
Research Abstract |
1.米飯の硬軟と粥調整時間との関係 加熱時間を調整した粥飯粒のテクスチャー測定の結果から、米飯粥飯粒は加熱時間が長くなるにつれて粥飯粒自体は軟らかくなり、30分加熱すると米からの粥の粥飯粒よりも有意に低いかたさ応力となった。また、加水量の多い米飯を使用すると、軟化が早まる傾向がみられた。付着性は加熱時聞が長くなるにつれて大きくなる傾向を示したが、米飯の加水量による差は見られなかった。おもゆを含んだ状態での測定では、米飯からの粥が米からの粥よりも有意に高いかたさ応力となり、粥飯粒での測定と傾向を異にしており、おもゆのテクスチャーへの影響が考えられた。おもゆの粘性は、米粥の方が米飯粥より大きいことが確認できた。 粥飯粒表面観察では、1.7倍粥は10分加熱ですでに膨潤し、30分加熱では組織の崩落がみられ、かなり軟らかい状態であると観察された。一方、1.3倍粥は膨潤が最も少ない状態で観察され、30分加熱してもしっかりした形を留めていた。 官能検査では、米飯の加水量にかかわらず、20分加熱を行えば、米粥に近い性状の粥になることが示された。 2.加熱器具と加熱方法の検討 真空包装した米と水を95℃、100℃で加熱し、真空調理により調整した粥の性状を比較した。テクスチャー測定、破断強度測定では、加熱時間の延長に伴い軟らかく、凝集性、付着性が大きい粥となった。また、同加熱時間では、95℃より100℃の方が軟らかく、凝集性、付着性も高かった。粥飯粒の表面観察では、95℃加熱粥には加熱ムラがみられ、十分に糊化していないと思われる粥飯粒がみられた。100℃50分加熱粥にはつやがあり、十分に炊けていると評価された。
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Research Products
(1 results)