2005 Fiscal Year Annual Research Report
n-3系多価不飽和脂肪酸と抗酸化ビタミンによるC型肝疾患の栄養治療
Project/Area Number |
16500516
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
沖田 美佐子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (70079242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 貴代 岡山県立大学, 保健福祉学部, 講師 (10254567)
村上 泰子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助手 (90326413)
冨岡 加代子 くらしき作陽大学, 食文化学部, 助教授 (90368671)
垣渕 直子 瀬戸内短期大学, 食物栄養学科, 講師 (70310886)
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Keywords | エイコサペンタエン酸 / ビタミンE / リンパ球 / 赤血球膜脂肪酸 / インターフェロン / リバビリン / C型慢性肝炎 |
Research Abstract |
C型慢性肝炎のインターフェロン(IFN)α-2bとリバビリン併用療法時にみられる溶血性貧血、血球減少や赤血球膜リン脂質中エイコサペンタエン酸(EPA)減少の改善に及ぼすEPA補給効果を検討した。 IFNα-2bとリバビリン併用療法を受けるC型慢性肝炎患者5例(男性4例、女性1例)にEPA(1,800mg/日)を、ビタミンE(300mg/日)とC(600mg/日)とともに投与し(EPA群)、EPA非投与の5症例(男性4例、女性1例:対照群)と比較した。治療開始前と開始後4、8、12、24週に採血し、赤血球膜および血漿リン脂質の脂肪酸組成、血漿α-トコフェロール、8-ハイドロキシ-デオキシグアノシン(8-OHdG)を分析し、臨床検査成績との関連を検討した。 赤血球膜リン脂質EPAはEPA群では12週後には治療開始前値の3倍にまで増加したが、対照群では漸減した。赤血球数は両群ともに減少したが、白血球数は対照群で減少したのに対し、EPA群では開始前値を維持し、治療期間中対照群より高値であった。とくに、リンパ球数は4週後にEPA群では120.8±25.4%と増加し、対照群では4週で69.8±13.6%、24週で55.6±15.5%と有意に減少した。治療開始24週後では、リンパ球数は血漿アラキドン酸/EPA比(r=-0.624,p<0.05)、ならびに赤血球膜アラキドン酸比率(r=-0.648,p<0.05)と負の相関を示した。 以上、IFNα-2bとリバビリン併用療法中のC型慢性肝炎患者へのEPA投与(ビタミンE、C同時投与)は、赤血球膜リン脂質のEPA比率を有意に上昇させ、リンパ球数の減少を抑制し、血清8-OHdGを減少させ、EPA補給の有用性が示唆された。 これらの結果をさらに検証するために、PEG-IFNα-2bとリバビリンの併用療法を受ける患者10例に同様にビタミンE, CとEPAの投与を行い、ビタミンのみ投与の10症例を対照として、リンパ球幼若化反応、リンパ球組成、赤血球脂肪酸組成などに及ぼす効果を観察中である。
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Research Products
(3 results)