2005 Fiscal Year Annual Research Report
調理・加工条件の違いによる変異原・発ガン物質の人体への曝露状態の違いについて
Project/Area Number |
16500524
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
小原 章裕 名城大学, 農学部, 助教授 (20194615)
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Keywords | 尿 / 調理・加工 / 変異原物質・発ガン物質 / Ames test / ヘテロサイクリックアミン / 食生活 / フリーラジカル |
Research Abstract |
今年度は,本プロジェクト最終年であり昨年度に引き続き次の3点を中心に検討した。 (1)調理条件の違いによる変異原物質の生成量の違い 実際に豚肉を使用し次に示す調理条件i)煮る,ii)焼く,iii)揚げるにおける変異原物質の経時的生成量の違いについて検討した。昨年度は抽出法などに問題があり食品中からの回収率が低かった為、正確な変異原物質の生成量が確認できなかった部分もあったので,今回はブルーレーヨンによってヘテロサイクリックアミンを100%試料より抽出しAmes testにより変異原物質量をTrp-P1に換算して定量した。 その結果,高温処理法である「焼く」や「揚げる」で処理した際に予想通り変異原物質の生成量が圧倒的に高い事が分かった。また,モデルケースとして豚肉に野菜や香辛料を添加した際に,一緒に添加して加熱をした際に抗変異原性を示すものや豚肉の加熱後に添加した際に抗変異原性を示すものなど種類によって傾向が異なる事が分った。また、みりんや醤油、酢などの調味料でも同様に検討を行った。これら材料を使用して,実際に豚肉ショウガ焼きを調製したが,それぞれの材料の抗変異原率より算出した抗変異原性よりも高い値を示した。 (2)生活習慣や食事摂取内容の違いによる尿中の変異原物質量の違い 実際の食生活において,各種食品を摂取した際に,どの程度の変異原物質に曝露しているのかを検討するために食事由来の尿中の変異原物質量を昨年度に検討した方法で測定した。全く同じ条件で調理したものを摂取したわけではないので,若干差があるが動物性食品を高温で処理したものを摂取した際に生成量と同様に高い排泄量を示した。また,野菜など変異原物質の生成を抑制するものを摂取した際に尿中の変異原物質量は低下する傾向がみられた。 (3)生理活性物質の体内での動向 抗発ガン性と関係が高いといわれる抗酸化成分を摂取した際の体内のラジカルの状態を検討した。FRASを使用して血中のラジカル量を測定したが,正常範囲者においては影響がなかったが,ラジカルが正常値より高い被験者に関しては改善傾向が認められた。 今回得られた上記データは,現在学会誌への投稿を準備している。
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Research Products
(1 results)