2005 Fiscal Year Annual Research Report
未利用資源・食品加工副産物の麹菌発酵による新機能性食素材の作出に関する研究
Project/Area Number |
16500532
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Research Institution | Tokai Gakuen University |
Principal Investigator |
三宅 義明 東海学園大学, 人間健康学部, 講師 (20369581)
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Keywords | ゴマ粕 / 米糠 / レモン果皮 / 抗酸化性 / 麹 / 発酵 / 製パン / フラボノイド |
Research Abstract |
食品製造・加工時に産出される食品副産物は未利用資源であり、本研究はこれらを新たな機能性食素材に有効活用することを目的とした。今年度は、レモン果皮(レモン搾汁粕)、ゴマ粕(ゴマ油抽出粕)、米糠の食品副産物に着目した。 ゴマ粕にはリグナン類のセサミノール配糖体が多く含まれ、これを各種麹菌(Aspergillus)で発酵させたところ、抗酸化活性が向上し、成分変化が認められた。生成成分を各種機器で分析したところ、抗酸化物質のセサミノールやセサミノールカテコールが生成していることが分かった。ゴマ油搾汁粕を麹菌発酵させたところ、これら抗酸化物質の生成が認められた。 米糠には、γ-オリザノール、フェルラ酸が豊富に含まれている。そこで、ゴマ粕と同様にフェルラ酸を麹菌で発酵させたところ、抗酸化活性は大きな変化はなかったが、成分変化が認められた。生成成分を各種機器で分析したところ、バニリン酸が生成していることが分かった。次に米糠を麹菌で発酵したところ、γ-オリザノールから変換されたと推測されるフェルラ酸、バニリン酸が生成し、抗酸化活性の向上が認められた。また、他成分も検出されており、今後の検討が必要と考えられた。 レモン果皮を水抽出し、逆相樹脂処理により、フラボノイドが豊富なレモン果皮抽出物を調製した。これを食素材としての適性を調べるため、小麦粉にレモン果皮抽出物を0.25%〜0.75%添加した製パンを作製し、呈味と物性を調べた。官能テストでは、0.75%添加パンは無添加パンと比べて苦味が強く嗜好性が低下したが、0.25%添加パンは嗜好性の低下は少なかった。また、レモン果皮抽出物を添加すると製パンの比容積の上昇、物性的変化が認められた。この原因については、今後追究していく。
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Research Products
(1 results)