2004 Fiscal Year Annual Research Report
食行動変容を促進する栄養アセスメントとリスクコミュニケーションに関する研究
Project/Area Number |
16500534
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
乃木 章子 山口県立大学, 生活科学部・栄養学科, 助教授 (90312305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩飽 邦憲 島根医科大学, 医学部・環境保健, 教授 (10108384)
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Keywords | 内臓脂肪型肥満 / 健康リスク認知 / 評価 / リスクコミュニケーション / 行動目標 / 行動変容 |
Research Abstract |
【対象と方法】 島根県在住の壮年(2004年男10名、女46名、2000年開始からの累計244名)を対象に、8-11月の3カ月間のすこやかライフプログラムを実施した。プログラムは、開始前後に、内臓脂肪型肥満に関係する体格、血液生化学、食習慣、活動調査、体力測定、心理テストを行い、行動目標を設定し、自己評価表と万歩計を配布した。2週間後に開始前の検査結果を個別に報告し、行動変容の意義と方法を学習した。2カ月後には、行動変容の促進因子と阻害因子、人間関係や支援環境づくりの方法について参加者間で学んだ。プログラム終了後には、検査結果と変容行動の関連性について学習した。2004年には、自己健康リスク認知と食行動および身体活動の変容を促進するリスクコミュニケーションを図るため、リスクリストを作成し、初回調査時に、これまでの健診データ、栄養・運動評価、参加動機から行動目標をより明確にした。 【結果と考察】 参加者の健康リスク認知は、専門家の査定とほぼ一致していた。また、達成目標の設定は専門家が3カ月の期間中には無理と査定し目標を下げた例があったが、ほぼ妥当であった。目標達成のための行動目標設定には、具体化、数量化の面で専門家の支援が必要であった。体重、BMI、ウエスト囲、ウエスト・ヒップ比、総コレステロールは有意に減少し、HDL-Cは有意に増加した。熱量出納は、摂取熱量246kcal減少、消費熱量149kcal増加となった。心理面では、日本語版Health Locus of Controlでは超自然の得点が有意に減少し、SF-36では身体機能と全身的健康観が有意に増加した。2004年は、2003年に比べ体重減少は少なかったが、血清脂質、糖質、血圧がより適正値に近づき、身体機能と全身的健康観が増加した。個別の健康リスク評価とリスクコミュニケーション、ニーズに応じた実行可能な行動目標の設定・実行が、代謝症候群の早期予防に有効であることが明らかになった。系統的なリスクリストの作成および行動変容を促進するリスクコミュニケーション手法の再検討が課題である。
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Research Products
(2 results)