2005 Fiscal Year Annual Research Report
食行動変容を促進する栄養アセスメントとリスクコミュニケーションに関する研究
Project/Area Number |
16500534
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
乃木 章子 山口県立大学, 生活科学部栄養学科, 助教授 (90312305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩飽 邦憲 島根医科大学, 医学部・環境保健, 教授 (10108384)
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Keywords | 内臓脂肪型肥満 / 健康リスク認知 / 評価 / リスクコミュニケーション / 行動目標 / 行動変容 / ウエスト囲 |
Research Abstract |
島根県在住の壮年(2000年開始からの累計295名)を対象に、3カ月間のすこやかライフプログラムを実施した。開始前後に、体格、血液生化学、食習慣、活動調査、体力測定、心理テストを行い、行動目標を設定し実行を促した。2週間後に開始前の検査結果を個別に報告し、行動変容の意義と方法を学習した。2カ月後には、ストレスコーピング、行動変容の促進・阻害因子、人間関係や支援環境づくりの方法について参加者間で学んだ。プログラム終了後には、検査結果と変容行動の関連性について学習した。 1)自己健康リスクの認知を支援するリスクコミュニケーションが可能なリスクリストを作成した 2005年には、自己健康リスク認知と食行動および身体活動の変容を促進するリスクコミュニケーションを図るため、個別のリスクリストを作成し、初回調査時に、これまでの健診データ、栄養・運動評価、参加動機から行動目標をより明確にした。 2)食行動変容を促進する栄養アセスメントとリスクコミュニケーション技法を開発した 参加者の健康リスク認知は専門家の査定とほぼ一致したが、目標達成のための行動目標設定には、具体化、数量化の面で専門家の支援が必要であった。体重、BMI、ウエスト囲、ウエスト・ヒップ比、収縮期・拡張期血圧、中性脂肪、TG/HDL-C、血糖は有意に減少し、インスリン抵抗性の改善が認められた。熱量出納は、摂取熱量429kcal(21%)減少、消費熱量163kcal(7%)増加となった。個別の健康リスク評価とリスクコミュニケーションがメタボリックシンドロームの早期予防・改善に有効であることが明らかになった。 3)メタボリックシンドローム診断の必須項目であるウエスト囲の妥当性について検証した 女性のウエスト囲基準値の妥当性についてROC分析を行った結果、至適カットオフ値は77-80cmとなり、90cmはスクリーニング基準値として妥当性を欠いていることが明らかになった。メタボリックシンドロームの早期発見・治療を進めるには、日本の女性の基準値は再検討が必要であり、当面はBMIも併用し、ウエスト囲75-90cmの集団に対しても代謝異常の有無を総合的に評価し、リスクコミュニケーションによる適切な指導を行うべきであることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)