2005 Fiscal Year Annual Research Report
21世紀にふさわしい理科生物分野のカリキュラムの開発
Project/Area Number |
16500542
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
高森 久樹 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (40188090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 正巳 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20175681)
真山 茂樹 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (40199914)
中西 史 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (30293004)
原 健二 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (80293968)
三石 初雄 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (10157547)
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Keywords | 理科 / 生物 / カリキュラム / 遺伝子 / 生物多様性 / 進化 / 理科教育 / 生物教育 |
Research Abstract |
現代科学の進歩の中でも生物学の進歩はきわめて著しく、21世紀は生命科学の時代とも言われている。生物学分野の中で特に著しい成果が得られているのは、生命の設計図でもある遺伝子についての研究である。このような遺伝子についての解析が進むにつれて、生物の形作りや生理的現象をはじめとし、生命活動のほとんどは遺伝子の働きに依存していることがわかってきた。一方、遺伝子についての研究が進むにつれて、遺伝子操作技術が進歩し、本来その生物種には存在していない遺伝子を特定の生物種に組み込むことも可能となり、このような研究の応用として遺伝子組換え食品の開発などといった新しい産業が急速に台頭しつつある。本研究は、本研究組織を中心に平成14年度採択された「21世紀にふさわしい理科生物分野のカリキュラムの検討」をさらに進め、これからの時代にふさわしい理科生物分野の統合的なカリキュラムの具体的開発に着手しようとするものである。 平成17年度は、5年生の生命の連続性の学習の過程で、受精・受粉における精子や花粉の役割を通して、遺伝子ならびにその働きの概念を導入する実践授業を行った。今回実施した文章作成テストは、「精子、卵、卵子、遺伝、遺伝子、受精、花粉、情報」単語を用いて短文をつくり、その作業の感想を自由に記述するという内容であった。自由記述欄から、多くの子どもが、このテストを理科の授業の一貫としてではなく、「文章作成ゲーム」としてとらえていたことが理解できた。プレテストとポストテストを比較すると、一人あたりの文の総数には顕著な差は無かったものの、生命の連続性に関する記述や情報を遺伝と関連づけた記述、子どもを作る仕組みの生物間での普遍性に関する記述は、後者で格段に増加していた。情報を遺伝と関連づけた記述を行った子どもの割合は、1割から8割へ急増した。これらの結果から、生物学的な形質をになう情報が、受精・受粉の過程で親から子へ引き継がれるという考えは小学校5年の子ども達に高い割合で浸透したと考えられる。今後、公立小学校における授業を考えた場合には、子ども達の思考を助ける授業展開、教材の工夫がさらに必要である。
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Research Products
(2 results)