2005 Fiscal Year Annual Research Report
科学の進歩を中等理科教育にどのようにとりいれるか-量子論教育の国際比較
Project/Area Number |
16500543
|
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
佐藤 明子 お茶の水女子大学, サイエンス&エデュケーションセンター, 講師 (40345418)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細矢 治夫 お茶の水女子大学, 名誉教授 (10017204)
西本 吉助 大阪市立大学, 名誉教授 (20046949)
|
Keywords | 中等教育 / 量子論教育 / 国際比較 / 高校化学 / アメリカ / 教科書 / 理科教育 |
Research Abstract |
平成16年度に行ったアメリカの中学・高校の訪問調査、およびそこで使用されている教科書を中心とする教材調査に基づき、わが国の高校で使用する量子論テキスト案を作成した。さらに作成したテキストを使用して、高校での使用を前提として、大学の教養課程での実践を試みた。 テキスト作成にあたっては、教科書中の記述の工夫、授業時での工夫、生徒にとっての難易度等を考慮した。生徒が、イメージしやすいようになるべく図解し、自分で計算することを取り入れ、自分で例を考えられるよう工夫した。 実践に当たっては、岩手大学教育学部の武井隆明助教授を研究協力者として迎え、2大学での実践を依頼した。1回目は化学を専門としない理系大学生向け、2回目は文系の大学生向けの実践を行った。理系大学生向けでは、概ね良好な結果が得られたが、文系の大学生向けでは、量子論以前の問題も見えてきた。 テキストは試用の結果を踏まえ、改良を重ね、高校での利用を目標とするテキスト案を作成した。 また、量子論を反映した化学授業を行っている日本の高校を訪問・調査した。量子論を取り込むことにより、多くの高校生にとって、化学が納得がいくものとなっている実態が判明した。 正統な量子論より逆に後退した「ルイス構造式」を多用している高校や大学初年級向けの教科書が、アメリカや台湾等に見られる。その得失等についても現在検討を行っている。 今後、本研究の成果が一般の高校で利用されるよう、研究を続けていきたい。
|
Research Products
(6 results)