2005 Fiscal Year Annual Research Report
江戸時代のからくりと近代機構模型の動画製作と機構解析、ならびに動画のウェブ公開
Project/Area Number |
16500547
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
城下 荘平 京都大学, 総合博物館, 助教授 (80026252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊本 博光 京都大学, 情報学研究科, 教授 (10109019)
永平 幸雄 大阪経済法科大学, 教養部, 教授 (20122195)
西原 修 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (00218182)
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Keywords | からくり / 茶運人形 / ルロー機械機構模型 / 機械要素 / アニメーション / ホームページ公開 / 機巧図彙 |
Research Abstract |
明治になって欧米先進諸国から近代機械工業技術を輸入する前から我が国に存在したからくりには、巧妙な機械メカニズムが用いられている。たとえば、代表的なからくりである茶運人形は、主人のいる所から茶を客の前まで運び、客の前で頭を下げ、客が茶碗を取り上げると動きを停止する。そして客が茶を飲み干し、茶碗を人形の持つお盆に戻すと人形は頭を上げ、180度回転して再び主人のもとへ戻ってゆく。この茶運人形の一連の動作はよく知られている。しかし、この動きを実現している機械的メカニズムを分かりやすく解説したものは見当たらない。江戸時代最高の機械書とされている『機巧図彙』には茶運人形の内部構造が図解されているが、図が写実的でなく、図を見ただけで直感的に機構を理解することは容易ではない。そこで本研究では、上述のような茶運人形の一連の動作について、動作毎にそれを実現している機械機構を3次元的なアニメーション(動画)で再構築し、それらのアニメーションを京都大学総合博物館のホームページに掲載した。 (収蔵資料)>(技術史関係)>(機械系、精密工学教室)>(アニメーションで見る機械メカニズム模型の動き) 理工系離れが言われて久しい若い世代が、アニメーションを見てこのような分野に興味を持つきっかけになることが期待される。段返人形についてもアニメーションを構築し、ホームページに掲載している。構築したアニメーションを、すでに作成しているルロー機械機構模型と比較し、近代機械工業技術が輸入される前の我が国の機械技術を検証した。また、からくりやルロー機械機構模型について、それらを構成している機械要素を抽出して比較検討した結果、両者には用いられている機械要素に大きな相違があること等が分かった。
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Research Products
(4 results)