2004 Fiscal Year Annual Research Report
デジタル画像のスペクトル変換解析を応用した簡易可視分光法による化学実験教材の開発
Project/Area Number |
16500551
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
古賀 信吉 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (30240873)
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Keywords | 化学実験教材 / デジタル画像 / スペクトル変換 / 簡易可視分光 |
Research Abstract |
1.デジタル画像のスペクトル変換解析による簡易分光分析法の開発 デジタル画像から取得したRGB値を用いて可視スペクトルをシミュレーションする方法について,コンピューターグラフィックスの研究分野で提案されている三つの方法について,その簡易可視分光法としての実用性を比較検討した。種々の色素溶液のデジタル画像からシミュレーションした可視スペクトルと分光光度計を用いて測定した可視スペクトルの比較から,数種の基準スペクトルをRGB値の大小関係を考慮して重ね合わせる方法が,最も広い色の範囲で分光光度計により測定した可視スペクトルとよい対応を示すことを明らかにした。この方法を用いてデジタル画像のRGB値から可視スペクトルをシミュレーションするソフトウエアーを開発した。 2.デジタル簡易可視分光法を用いた化学実験教材の開発 (1)酸塩基指示薬のpH値による呈色の変化をデジタルカメラおよびスキャナーを用いて記録し,デジタル画像のスペクトル変換解析を用いて各pH値における可視スペクトルをシミュレーションした。吸収極大波長における吸光度の変化から酸塩基指示薬の酸解離定数を求めた。この結果,分光光度計を用いて得た値および文献値とよい対応を示し,デジタル簡易可視分光法を分光光度計の代わりに用いることができることを明らかにした。 (2)BZ反応における反応液の呈色変化をデジタルビデオカメラにより撮影し,各コマのデジタル画像から可視スペクトルをシミュレーションした。吸収極大波長における吸光度の変化から反応の非線形の特徴を追跡する実験教材を開発し,デジタル画像を用いた簡易時間分解可視分光法としての教材的利用の可能性を示した。
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Research Products
(1 results)