2006 Fiscal Year Annual Research Report
eラーニング環境におけるパーソナリティ情報に基づいた学習意欲促進に関する研究
Project/Area Number |
16500599
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
斐品 正照 東京国際大学, 商学部, 助教授 (30305354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 克明 熊本大学, 大学院社会文化科学研究科教授システム学専攻, 教授 (90206467)
岡田 ロベルト 宮城大学, 事業構想学部, 助教授 (10305352)
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Keywords | eラーニング / パーソナリティ / 人間関係・対人関係 / CMC / 共同学習 / アウェアネス / 学習意欲 / ARCSモデル |
Research Abstract |
eラーニングを利用した教育/学習は,学習離脱の問題も指摘されている。Face to Faceのコミュニケーションと比較すると,CMC(Computer Mediated Communication)環境では交換される情報が制限されてしまうという特徴がある。本研究では,ユーザ間の人間関係が希薄になることが最終的には学習離脱に至る原因だと考えている。この問題を解決するために本研究では,CMC環境における人間関係の構築と展開,特にそこで中心的な役割を担うパーソナリティ情報のコミュニケーションに注目して支援し,結果的に学習意欲を促進・持続できるeラーニング環境であるPIAGETSと呼ぶシステムの開発を行った。 平成16年度(1年目)と平成17年度(2年目)は,PIAGETSを構成するモジュールについて,いくつか検討あるいは開発し,更にはPIAGETS用サーバーも構築した。また一方では,CMC環境において人間関係の有無が学習活動にどのように影響するのかを検証するために,人間関係が有る場合と無い場合の2つの状態を実験群と統制群に設定して,比較実験と被験者に対するインタビューを行った。実験・調査結果から,指導者と学習者が人間関係を構築していることが,構築していない場合と比較して応用問題への対応能力を高い状態にした可能性があることが分かり,指導者と学習者が人間関係を構築している方が,構築してしいない場合と比較して,学習活動中の学習意欲が持続する可能性があることがわかった。 最終年度となった平成18年度(3年目)は,本研究で開発したPIAGETSを構成するモジュールの一部改良を行った。具体的には,PIAGETSを構成するモジュールの1つであるPIA-Chatモジュールを改良した。ユーザ同士が人間関係を構築しやすいように,チャットにおいて選択できる顔文字を,大学生を対象にしたアンケート調査のデータを踏まえて人間関係構築用に厳選した。更に,改良したモジュールの評価等を行うために大学における教師と学習者の個別指導を想定した実証実験を行った。モジュール自体のインタフェースが一般的なものと比較すると使いにくいものであり,より使いやすくする工夫が必要なことが分かった。また,教師による顔文字の積極的な活用は,学習者による情意的な状態の情報発信を促すために必要であることが分かった。
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Research Products
(1 results)