| Research Abstract |
本研究では,小学校低学年の子供たちを対象として,組み合わせブロックをモチーフとするコンピュータ内の仮想空間における三次元造形と形状操作の教育を支援するエデュテイメントソフトウェアを作成している.
昨年度に引き続いて,曲面を含むブロックの衝突判定に使うOBB(Oriented Bounding Box)を実装した.また,ブロックをスムーズに接合するめに,ブロックのデータに接合点と被接合点を追加した.接合点はブロックの凸部分に,被接合点は凹部分に配置する.接合点と被接合点との距離が閾値以下になったら,それらの点が一致するようにスナップすることで,効率的にブロックを接合できるようになった.以上の改良により,市販の組み合わせブロックに含まれる大半の形状を扱えるようになった.
本年度は,マウスを2つ使って形状を操作する「デュアルマウスインタフェース」を提案し,実装した.このインタフェースでは,左右の手でそれぞれのマウスを操作して,ブロックを組上げることができる.
さらに,両手を使ってブロックの塊を分割する手法を実装した.従来のシステムでも,接合したブロックは自動的にグループ化され,塊となる.このため,ブロックをまとめて移動・回転することができた.しかし,ブロックを分けるには,一旦グループを解除してブロックを一つ一つ移動しなければならなかった.
そこで,グループ内の2つのブロックをそれぞれのマウスで選び,反対方向に動かすことで,グループを2つに分割する手法を実装した.この手法では,まず,選んだ2つのブロックの中間に切断面を設けて,ブロックを2つに分ける.ただし,このままでは繋がっていないブロックが同一グループに含まれてしまうことがあるため,マウスで選んだブロックとの接続を調べて,繋がっているものだけをグループとして再構成する.この手法により,ブロックの分離も,両手を使ってスムーズに行えるようになった.
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