Research Abstract |
(1)学習コンテンツの開発 国語,英語,社会,数学,情報,理科の教科の基本問題集を多数作成した(合計49教材).この際,各教科の教材は3段階にレベル分けして作成し,学生がやさしい問題から段階的に取り組めるようにした.また,前年度の評価やアンケート結果に基づき,繰り返し・中断・再開・採点などの基本機能に加えて,解答の解説(略解)を参照できるようにした. (2)検証と評価 研究代表者の所属する大学と聾学校高等部4校へ教材を試験的に配信し,95名の聴覚障害学生に利用してもらった.この際,学生の教材個別の得点,繰り返し利用回数及び総所要時間をデータベースに自動記録した.また,教材の利用終了後,Webアンケートに回答してもらった.主な結果は以下の通りである. a)多肢選択式で解答する教材は多くの学生が取り組んだが,英語や数学の記入式の教材の中には利用者数が少ないものがあった.原因として,入力が煩わしい,筆記用具を必要とした等が考えられる. b)意図した通り,10分以内の短時間に終了する教材が多く,ちょっとした合間に取り組むことができた. c)アンケート結果から,70%近い学生が携帯電話による新しい学習スタイルを支持していた. (3)応用展開 a)携帯電話の赤外線で制御するロボットを開発し,様々な機会に,学生・生徒に紹介し,利用してもらった. b)パソコンとUSBで接続した携帯電話へ,アプリケーションを直接ダウンロードする方式を検討し,従来方式と同等の学習コンテンツが利用できることを確認した. c)携帯電話に搭載されている非接触ICカード(Felica)を活用するアプリケーション開発を行い,Felicaのリーダー/ライターと携帯電話のFelicaの双方から,データ書き込み/読み出しが可能となった.この結果,パソコン学習とのシームレスな接続などに関する重要な足がかりが得られた.
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