2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500635
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Research Institution | Kobe Shinwa Women's University |
Principal Investigator |
小野 尚香 神戸親和女子大学, 発達教育学部, 教授 (70373123)
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Keywords | 近代日本 / 医療活動 / 保健活動 / 福祉活動 / 衛生制度 / 京都 / 医療宣教師 / 看護宣教師 |
Research Abstract |
1.文献の解読 (1)昨年度に引き続き、本年度も、明治期日本における一次文献の収集と解読に多くの時間を費やした。(1)欧米先進諸国からの来日宣教師(医師、教師)の会合(2箇所)の議事録、(2)American Board of Commissioners for Foreign Missionsの明治期日本における関係資料の中から、Annual Report(1887-1892)を通読、Woman's Board発行"Life and Light"の1872年〜1890年を通読・全訳、以上を行なった。 (2)近代日本における薬師信仰と民衆の生活を記した文書を入手した。解読の途中である。民衆のなかで培われていた「癒しの文化」を垣間みることができる。 (3)明治期の健康観、病観について、山崎佐文庫から文献を収集した。 2.研究成果の発表(上記1-(1))学会発表(以下)ならびに雑誌論文(研究発表欄に記載) (1)日本医史学会関西支部合同総会(2006.6. 於・大阪市立大学、単独発表)演題:"Life and Light"に記された京都看病婦学校/同志社病院の活動経緯 (2)民族衛生学会(2006.11. 於・沖縄県立看護大学、単独発表)演題:京都看病婦学校における「もう一つの近代医療」と「地域保健活動」 (3)医学会総会第1分科会(2007.4 於・大阪市立大学、単独発表)演題:大阪宣教師会議から京都看病婦学校ヘ-「もう一つの近代医療・看護」の細い系譜をたどる」 明治初期・中期には、広義の意味での福祉活動として、近代西洋医学に基づく医療・看護の多様な諸相がみられた。その例として、来日宣教師(医師、看護師)による衛生(医療・保健・福祉)活動と日本歳府強企図し構成していく「制度的医学」ならびに衛生活動と比べると、近代科学に基づいた知識・技術体系としては類似していても、医療・看護の意味や機能において、また実際の活動の理念や課題においては異なるものであった。この点について、次年度の研究で、さらに資料を集め、解読し、明らかにしていきたい。
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Research Products
(4 results)