2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500646
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小玉 芳敬 鳥取大学, 地域学部, 助教授 (50263455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 昭明 鳥取大学, 地域学部, 教授 (70093581)
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Keywords | 鳥取砂丘 / 成立史 / ボーリング調査 / 常時微動調査 / AMS年代測定 / 岬状の基盤岩地形 / 古千代川の谷 / シルト層の電気伝導度 |
Research Abstract |
前年度に鳥取砂丘で実施した地質ボーリングB6の試料を分析した。沈降管粒度分析により粒度組成を求め,シルト層(標高-18.75m〜-20.27m)については電気伝導度を計測し,汽水性の環境にあったことを確認した。古千代川の埋没谷のひとつと推定されているB5ボーリングのシルト層(標高-4.61m〜-6.76m)については,挟在した葉より放射性炭素年代測定を実施し,5790B.C.〜5650B.C.を得た。また電気伝導度測定より,海性のシルトであることを確認した。つまりB5のシルト層は,縄文海進により古千代川の谷が溺れ,入り江の水深10m前後の海底に堆積したものであろう。 鳥取砂丘の西側砂防林地において常時微動探査を実施し,地質構造を推定した。その結果、西側砂防林地(標高40m〜60m)の地下には,20m程の浅所に基盤岩地形(標高20m〜35m)が潜在している可能性が指摘できた。観光砂丘の地下(標高-20m〜-60m)に推定されている海側に一様傾斜した平滑な岩盤地形とは対照的である。谷の連続性や火山灰層の残存状況に注目すると,西側砂防林地の基盤地形は岬状に突出した平面形態を持つと推定された。 鳥取砂丘では,草原化による砂丘景観の損失を防ぐために,1990年以降除草作業が続けられている。最近では砂丘縁辺部の砂防林付近を中心に堆砂が急速に進展し,新たな課題を生んだ。その一つに貴重な景観資源のひとつである追後スリバチが,今まさに消滅の危機にあることを指摘できる。追後スリバチの形態がどのようにして維持されてきたかを探るために風洞実験を実施した。その結果,地山の高さと,スリバチ縁辺部の高さが鍵を握ることが示された。19年度に本実験ならびに緊急現地調査を実施予定である。
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Research Products
(2 results)