2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16500646
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小玉 芳敬 Tottori University, 地域学部, 准教授 (50263455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 昭明 鳥取大学, 地域学部, 教授 (70093581)
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Keywords | 鳥取砂丘 / ボーリングコア試料 / 粘土混濁水の電気伝導度分析 / 古環境の変遷 / 風洞実験 / 追後スリバチの保全 / sandblastingによる植生管理 / seawater sprayingによる植生管理 |
Research Abstract |
鳥取砂丘B6ボーリングのコア試料中に含まれるシルト層を用いて電気伝導度分析による古環境推定を試みた。その結果は,これまで実施されてきた珪藻分析や花粉分析の結果とほぼ一致し,砂丘が形成される以前には,淡水から汽水を経て海水へと堆積環境が変遷した様子を確かめることができた。本成果により鳥取砂丘形成前の景観変遷の確からしさが増した。また鳥取砂丘における「特異な形態を示す追後スリバチの保全」と「草原化の課題」に対して,緊急の調査・研究を実施した。前者は風洞実験により,地山のクロマツが伐採された影響を調べ,現状のままでは追後スリバチ地形がやがて消滅することを明らかにした。この成果は追後スリバチの保全方法を探る具体的な資料となる。後者としては飛砂プロセスや海塩といった自然の摂理を巧みに利用した草原化対策を平成18年度に続いて模索中である。鳥取大学乾燥地研究センター敷地内の砂丘地で,sandblastingとseawater sprayingの併用効果について調べ,時季による有用性の違いを明らかにした。この研究成果を踏まえて現地での応用実施が望まれる。 これまでに明らかになってきた海岸砂丘の形成史と形態特性について,地形構成材料と地形形成プロセスに注目して,鳥取砂丘(鳥取県)を中心に遠州灘砂丘(静岡県)と潟町砂丘(新潟県)の研究成果を報告書にとりまとめた。特に遠州灘砂丘の形態特性を支配する「海岸堆積物の粒度分布に規定された飛砂量」と「波浪の地形形成プロセス」のせめぎ合いについて,論文を投稿した。
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Research Products
(3 results)