2005 Fiscal Year Annual Research Report
フィリピンにおける溜池農業水利用の安定化に向けた流域環境解析
Project/Area Number |
16500651
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Research Institution | Edogawa University |
Principal Investigator |
森島 済 江戸川大学, 社会学部, 助教授 (10239650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 暁信 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 講師 (10313016)
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Keywords | 溜め池 / 流域環境 / 土壌特性 / 植生履歴 / 流出特性 / フィリピン |
Research Abstract |
本研究は,フィリピン・中部ルソン島において,地表面状態(植生・土壌の物理特性)が異なる2つの溜池集水域の水文特性を調査し明らかにすることで,地域の持続可能で安定した農業経営に資することを目的としている.17年度は初年度に作成した地形図をベースマップとして,これに自然環境情報を重ね,これらの情報から本地域において重要な水収支に関わる諸要素の観測を継続した.また,本流域内の土地被覆状態に深く関与していると考えられる人為的影響(草地利用)に関する聞き取り調査も実施した. 本年度行った調査及びその成果の一部を如何に挙げる. 1.成果発表:6月にフィリピンで開催された7^<th> ESAFS International Conferenceにおいて本研究における成果の一部を発表した(3編). 2.表面流出計の設置:土地被覆に対する人為インパクト及び草地における表面流出量と降水強度に関する理解を深めるため表面流出計の設置を行った.併せて,地表面付近の土壌水分量との比較を行うために土壌水分プロファイラを設置した. 3.植生調査:初年度並びに17年度の植生調査から流域内の植生図を作成した. 4.土壌調査:土壌と色の分析により土壌タイプを簡易に判別することが可能となった.流域全体の詳細な土壌図の作成を行うため,多地点において土壌サンプリングを行い地形との関連性の検討を行った. 5.人為インパクト及び水利用調査:地域住民の流域利用を草刈り,野焼き,薪炭林利用,農業水利用の観点から調査した.農業水利用に関しては,本地域の水管理組織が機能していないために水路内に水位計を設置することで水利用の実態を明らかにした.
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