2005 Fiscal Year Annual Research Report
衛星画像を用いた北上高地の風食荒廃地の経時的変化の解析
Project/Area Number |
16510001
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
飯倉 善和 弘前大学, 理工学部, 教授 (30109897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 玄敏 弘前大学, 理工学部, 助教授 (70264091)
丹波 澄雄 弘前大学, 理工学部, 助教授 (70179927)
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Keywords | 数値標高モデル / 地理情報システム / 領域分割 / クラスタ分類 / 日射量 / 開放度 / 一般化線形モデル / 防風効果 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に作成した北上高地の数値標高モデル、現存植生図および精密補正後のランドサットTM画像を用いて風食荒廃地を同定し、風食モデルの作成および荒廃地の時間的変化の解析を行った。 1.荒廃地マップの作成:衛星画像(主にランドサットTM画像)から環境条件や地理的条件を考慮して1984年から現在まで5年毎の風食荒廃地を抽出した。抽出にはピラミッドリンキング法により求めた領域毎の平均ベクトルをK-MEAN法を用いてクラスタ分類した結果を利用した。 2.風食モデルの作成:復旧対策の効果がまだ見られない1984年の荒廃地マップを用いて、地理的条件から風食荒廃の潜在的可能性をもとめるモデルを作成した。環境要因としては標高、斜度、傾斜方位、西の開放度、森林の防風効果、春先の日射量を取り上げ、一般化線形判別により統計モデルを作成した。解析の結果、最も大きな説明力を持ったのは森林の防風効果であり、冬季の偏西風を防ぐ森林が存在することで荒廃発生の危険性が減少するという結果が得られた。 3.時間的変化の解析:1984年以降の荒廃地マップを風食モデル、復旧・防止対策、温暖化の影響から定性的に説明した。北上高地全体で見ると荒廃地は減少し、植生が復旧しているのが確認できた。また、風食荒廃地が集中していた地域では防風工事などの対策による植生の回復が見られたが、自然復旧に任せている地域などでは若干の拡大が見られる箇所も見られた。
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Research Products
(4 results)