2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16510004
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
長島 秀樹 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (10087570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 秀勝 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (80260537)
根本 雅生 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (90221481)
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Keywords | 大槌湾 / 熱収支 / 水温予測 / 吹送流 / 海水交換 |
Research Abstract |
1)乱流強度の計測 大槌湾の水温予測モデル構築に資するために湾内における鉛直混合の強さを計測した。平成17年7月19-22日の間、東京大学海洋研究所、国際沿岸海洋研究センターに滞在し、乱流強度を計測できるTurboMAPにより湾内2観測点において、乱流散逸率を計測した。20日には湾口付近の水深80mの観測点で、3-5分おきに計66回、21日には湾内の水深40mの観測点で計51回の乱流強度計測を行った。成層期の比較的静穏な海況で、いずれも下げ潮時の観測であった。計測された乱流散逸率(ε)は、概して16^<-7>〜10^<-8>W/kg程度であったが、湾内の15-20m深度で10^<-6>W/kgを超える高い値を示した。これは塩分分布から見ると外洋からの貫入層に対応していた。 2)数値モデルによる吹送流の再現 前年度行った流速資料の解析から、湾内の平均的な流れは上層流出、下層流入であり、この傾向が冬季にはとくに顕著であることがわかった。そこで、冬季に卓越する西よりの風による湾内の流れを、汎用数値モデルGETM(General Estuarine Transport Model)をもちいて再現した。これにより、湾外流出は上層で、湾内への流入は下層でみられるが、その境界は湾中央部の横断面でほぼ海面下8-10mであり、観測結果をよく説明した。 3)湾内水温予測モデルの構築 湾内水温予測モデルを作成した。モデルはARおよびARMAを採用した。海面下1m層で取得された1978-2003年の水温資料からフィルター係数を決定し、これを用いて2004年の年間水温予測を行った。データは日平均水温をそのまま用いる場合と平均的な季節変動からのアノマリを用いる場合を解析した。その結果、90年代の資料を用いて季節変動のアノマリをARMAで解析した結果がもっとも精度が高く、2004年の水温をバイアス0.58℃、標準偏差0.88℃の範囲で予測することができた。
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Research Products
(3 results)