2006 Fiscal Year Annual Research Report
閉鎖性水域における流動と水質の定量予測に向けての数値解析モデルの最適化
Project/Area Number |
16510014
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
木村 一郎 松江工業高等専門学校, 環境・建設工学科, 助教授 (60225026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 賢 四日市大学, 環境情報学部, 教授 (90298654)
細田 尚 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10165558)
淺田 純作 松江工業高等専門学校, 環境・建設工学科, 助教授 (90342542)
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Keywords | 数値流体力学 / 閉鎖性水域 / 環境動態シミュレーション / 保存系スキーム / 混合密度流 / 塩水楔 |
Research Abstract |
内湾や湖沼、河川ワンド等の閉鎖性水域においては汚濁物質の貯留に伴う環境の悪化が顕著であるため、水環境の予測と対策が急務となっている。本研究の目的は、閉鎖性水域の流れ特性と水質動態の数値解析モデルの最適化を行うことにある。目標とするモデルの特徴は、種々の地形スケールに対する汎用性、現実に即した境界条件に対する柔軟性、高性能パーソナルコンピュータ程度を対象とした実用性と経済性を有するとともに、現象の定量的把握を目標に掲げている。すなわち、物質濃度などの数値を十分な精度で予測可能なモデルを構築することが目的である。このために、計算スキーム、乱流モデル、物質輸送モデル、化学・生物モデル等の各要素について、既往モデルの再検討、現地観測結果や実験結果との比較を通じて精度向上を図る。このようにして得られたモデルはそれ自体の実用性に加え、多くの研究者、技術者がさらに高度なモデルを構築する際のベースモデルとしての役割を果たすものと期待される。 研究の最終年度である本年度は、乱流モデルに関する検討と、実際の水域への応用を中心に検討を実施した。これまでの研究を通じていえることは、乱流モデルの重要性であり、基本に戻って単純な乱流場の一つである浅水格子乱流を対象とする検討を改めて行った。この結果、既往のモデルに関して二、三の重要な欠点が指摘され、この点の改善を行う方法を示すことができた。特に、浅い水域で生じるエネルギーのカスケードアップに着目して新たな知見をモデルに反映させた。一方、実際の水域を対象とする応用的な研究については、新たに地下空間を取り挙げ、特にエアースパージング法の適用で問題となる現象について検討を実施した。一方、汽水域における塩水進入の制御方法として、Wall型ブロックの適用を検討した。また、英虞湾における環境モニタリングシステムより得られたデータを整理し、数値解析結果との比較を実施した。さらに、琵琶湖における水温分布についても検討を実施した。
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Research Products
(4 results)