2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16510021
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
宮田 讓 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (20190796)
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Keywords | 環境共生型都市 / コンパクトシティ / 応用一般均衡モデル / 社会的最適成長モデル / 廃棄物リサイクル / 人的資本 / 独占的競争理論 / 帯広市 |
Research Abstract |
本年度は我が国および外国で行われてきた環境共生型都市に関する理論的,実証的研究の文献サベイを行い,その研究動向を把握した。その上でまず近年,先進国で問題となっている都心部の空洞化現象を説明する動学的数値シミュレーションモデルを開発した。このモデルでは独占的競争理論を用いて,どの程度の市場圏がなければ都心部が空洞化してしまうのかを,明らかにすることができた。都心部の空洞化は交通需要の拡大を招き,エネルギー需要の増大や,それに伴う環境負荷の増大を引き起こし,環境共生型都市を考えていく上で重要な課題である。 第2に都市の持続的発展を考えていく上で重要となる,人的資本の役割を理論的に考察した。このモデルでは複数の都市からなる都市群システムを対象としている。そして交通基盤整備の遅れが,都市成長を遅らせ,都市間格差を拡大させることを明らかにした。 第3に帯広都市圏を対象として,廃棄物の発生・再(生)利用・除去を内生化した応用一般均衡モデルを開発した。このモデルによるシミュレーション分析によって,廃棄物再(生)利用促進のために必要な公的補助金の水準を明らかにすることができた。このモデルは比較静学モデルであるために,現在その動学化を検討しているところである。 最後に25ゾーンからなる仮想的都市を想定し,環境資本を内生化した動学的数値シミュレーションモデルを開発した。このモデルにより,都市人口を都心部に集中させた方が,家計効用が高まるという興味深い結果が得られた。現在このモデルについては,自然環境要素を導入し,モデルの拡張を行っているところである。
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Research Products
(6 results)