2005 Fiscal Year Annual Research Report
化学物質応答性トランスジェニックフィッシュ作成用遺伝子工学部品の整備に関する研究
Project/Area Number |
16510039
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
板倉 隆夫 鹿児島大学, 水産学部, 助教授 (20136849)
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Keywords | シトクロムP450 / CYP1 / トランスジェニックメダカ / XRE / ERE / 薬物誘導 |
Research Abstract |
シトクロムP450(CYP)の遺伝子の中でダイオキシンによって誘導的に発現するCYP1ファミリーのうち、1Bおよび1Cについて、ウナギおよびコイを用いて研究を行った。ウナギのCYP1B1および-1C1ではそれぞれ5,188および4,615塩基対、コイのCYP1B1、-1B2、-1C1、-1C2ではそれぞれ690、769、3,036、1,176塩基対の5'上流域(遺伝子発現調節領域)を得ることができた。それらの塩基配列を決定し、ウナギCYP1Aおよび-1A9も含めて、DRE(Dioxin Responsive Element)およびERE様モチーフについて解析したところ、肝、腸、鰓で薬物誘導的発現を示すウナギのCYP1A、-1A9およびコイのCYP1B1の5'上流(2,000塩基対まで)では、DREは逆方向(CACGC)のもののみが見出されるという興味ある結果を得た。また、鰓で発現するウナギのCYP1B1およびコイのCYP1C1の5'上流(2,000塩基対まで)では、DREは正方向(GCGTG)もののみが見出された。ERE様モチーフは、ウナギのCYP1A、-1A9、-1B1、-1C1それぞれに1、0、3、3組、コイのCYP1B1、1B2、1C1、1C2それぞれに0、0、1、0組見出され、肝や腸で強く発現しないものに目立って存在していた。哺乳動物における研究から、DREの向きは誘導的発現に影響しないと言われているが、本研究によって、薬物誘導の組織特異的発現に影響を与えている可能性が示唆された。ERE様モチーフも同様に組織特異的発現に影響を与えているのかもしれない。
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Research Products
(2 results)